株式会社2りんかんイエローハット | 人事評価制度の設計と運用のコンサルティング | 日本人事経営研究室株式会社

株式会社2りんかんイエローハット 様

55店舗・社員数350名以上の組織で成果につながったポイントとは?!

代表取締役社長 石渡 淳様

株式会社2りんかんイエローハット

代表:代表取締役社長 石渡 淳
本社所在地:埼玉県和光市下新倉5-11-1
創業:1978年11月
従業員:829名
URL:https://2rinkan.jp/
事業内容:オートバイ用品の専門店チェーン2りんかんの展開

今回は、オートバイ用品の専門チェーン『2りんかん』を全国展開されている2りんかんイエローハット様をご紹介します。
同社はライダーの駆け込み寺になることを目指し、「規模拡大」「収益構造改革」「情報発信」の“3本の矢”の取り組みを策定し、あらゆる面でお客様のサポートを実践されています。「情報発信」の一貫で行われている「2りんかん祭り」では毎年5,000人のライダーが駆けつけるほど多くの支持を集めているクライアント様です。『ビジョン実現型人事評価制度®』への取り組みは5年目となります。社員数が350名以上という大所帯でどのように改革を進めているか代表の石渡社長にお伺いしました。

人事評価制度に納得がいかない

 

私は1983年から2りんかんイエローハット(旧ドライバースタンド)に関わり、代表取締役になったのは2009年のことでした。前任者の仕事を引き継いだところ、どうしてもいくつか合点のいかない点がありました。中でも特に納得がいかないと感じたのは、人事評価制度についてです。

当時の評価制度は成果主義に重きを置いていて、毎年3月に1年間の仕事を振り返るものだったのです。中期経営計画によって5年後にあるべき姿は目に見えているのに、評価は課題にリンクしていないところが気にかかりました。
経営計画と評価制度を見直したいと思っていたときに、ちょうど新聞広告に山元さんの著書である『小さな会社は人事制度で人を育てなさい!』が掲載されているのを見て、早速本を購入し読みました。私が求めていたものは「まさに、これだ!」と思い、すぐに山元さんと面談しました。

まず会社と社員の5年後の姿を明確にして、そこへ向かってやるべきことを具体化し、一人ひとりがどのように成長し、どのような成果を残したかが一目瞭然となる『ビジョン実現型人事評価制度®』こそ、私の描いていた仕組みだと実感し、中期経営計画の刷新と評価制度再構築を決意しました。

既存の評価制度からの新評価制度へ

2013年2月にプロジェクト( 人財成長プロジェクトと命名)がスタート。私たちは、お店の存在意義を改めて考えることから始めました。目指すべきはオートバイに乗られる方の駆け込み寺になることです。

そして、社員が幸せを実感できる会社でなければなりません。さらに、業界への貢献度がゆるぎないナンバーワンでなければなりません。ここを経営計画書に落とし込みました。

同年5月に決算報告会の場でキックオフを開催し、幹部・全店長達と中期経営計画や人事評価制度の方向性を共有しました。続いて新制度の移行には11月と翌年5月にこれまでの評価制度と1ヶ月ずらして並行稼働させる形で新評価制度のトライアル評価を実施しました。

新しい評価の仕組みでは、人材育成に重きを置くために、自己、上司の評価判断理由を明記させたのですが、いざ実施してみると、評価者(約50名)間での判断のブレや自己評価の書き方・判断の仕方にも大きな誤差がありました。そのため、修正や再評価を繰り返し行い、誤差をなくすことに努めました。そして、2014年10月に新制度のみの評価実施に移行できました。

2りんかん様存在意義

2りんかん様存在意義

2015年~2016年にかけて新賃金制度設計とシュミレーションを行い、2016年5月に新賃金制度運用を本格稼働させることができました。
評価による昇給を分かりやすくした一方で組織の変動や時代にあった体系に向けて定期的な見直しも行っています。

また、評価が上がらない為、昇給できないスタッフもいますが、彼らには資格取得へのチャレンジやどんな仕事をすればよいかを導き、ケアするよう評価者に指導しています。

チャレンジ面談が人材育成と業績につながるポイント

キックオフの様子

弊社は全国で店舗展開しており年中無休ということもあり、評価者全員を一同に会して説明することができず、店長経由での落とし込みとなります。そのため店長の理解や意識が揃っていないと、部下にまで意識のズレが影響してしまうことが分かりました。社員だけでも350名以上という大所帯ですから、各店長がどれだけ軽視せずに運用に注力してくれるかが一番のキモです。まずは、この人事評価制度の真の目的を社員全員に浸透させることが最も重要であると考えています。

2015年からはスタッフを毎月面談をし続けることが大切だと実感し、半年に1度の評価だけでなく、チャレンジシートを使った毎月の部下とのコミュニケーションの徹底と実践内容の統一化に力を入れていますが、正直、実施にはまだムラがあります。しかし、きちんと実施している店舗では確実に成果が出ているのです。

このことから、「ビジョン実現型人事評価制度®」で成果を出すポイントはチャレンジ面談にあると確信しています。

リーダーシップを発揮できる人材が育ってきた

これまでは、広域の店舗を統括しているマネージャーと店長がスタッフの評価者でした。マネージャーは実質100名以上の評価をすることもあり、どうしても判断できる部分が限定されます。そこで、2017年より各店舗に副店長制を導入しました。日常の業務においては店長のサポートおよびノウハウの吸収を図り、評価においてはよりスタッフに近い立場で実態に即した評価を行うという、本来の形での運用が実現できるようになりました。

さらに今年からは管理部と店長の選抜メンバーで評価制度の改善・浸透プロジェクトを自主的に立ち上げ、定期ミーティングを行い現状の仕組みをブラッシュアップしています。こういった目的に対するリーダーシップを発揮できる人材ができたことは大変喜ばしいと感じています。

組織の成長戦略に伴い、人員規模も拡大する中で、採用・育成はその根幹にかかる部分となります。大所帯ではありながらも、組織変革にはスピード感を持って取り組み、制度の運用においてはオンライン化や通信の活用など合理化を図りながら、中期計画の実現にまい進します。