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2018-09-102018/09/10

ビジネスにおけるタスクフォースの役割、短期で課題解決を目指すチームの作り方


問題発生、迅速な対応が必要と判断されたとき、企業はどのような解決手法をとるべきでしょうか。短期で課題解決を目指す方法に、タスクフォースの作成があります。ビジネスにおけるタスクフォースの役割と、チーム編成について解説します。

タスクフォースとは?

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タスクフォースとは、もとはアメリカ海軍の軍事用語で、特定の任務(タスク)を迅速に遂行するための部隊(フォース)を指します。とくに予測していなかった危機に見舞われたときや、迅速に作戦を実行しなければならなくなったときなどに、各軍隊から優れた兵力を臨時に集めて編成されるのがタスクフォースです。

例えば、太平洋戦争において日本が行った真珠湾攻撃に対しては、「ヒットアンドラン作戦」の名のもとにタスクフォースが組まれ、日本への空襲が開始されました。太平洋戦争が終わった後もタスクフォースの仕組みはたびたび採用され、イラク戦争のときにはフセイン大統領の捜索を行うときに、タスクフォースが使われたこともあります。

ビジネスにおけるタスクフォースの役割

タスクフォースという用語は、基本的な意味を残したままビジネス用語にもなっています。すなわち、何か緊急性の高い問題が企業に生じたときに、各部署から優秀な社員が集まって迅速な課題遂行に力を注ぐためのチームという意味です。

映画『シン・ゴジラ』を観た人であれば、大都会東京に突如現れたゴジラを速やかに行動停止させるため、政府がとった行動を覚えているでしょう。政府の担当者を中心に、技術者や科学者などがひざを突き合わせて激論を繰り広げ、連日徹夜で解決策を模索していました。国家の頭脳を選りすぐったタスクフォースが、日本の危機に対応すべく編成されたといえます。

ビジネスにおいては、例えばお客様からのクレームが企業にとって致命的なイメージ低下を引き起こしたとき、速やかな信頼回復のために対策づくりを行わなければなりません。このとき、各部署から横断的に優秀な社員が選抜され、問題解決にあたるのがタスクフォースです。選抜メンバーはしばし日常業務を離れ、特命遂行に尽力することになります。

短期課題解決のためのタスクフォースの作り方

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短期集中的に課題を解決するためには、どのようにタスクフォースを編成すればよいのでしょうか。緊急事態のときには各部署の長を集めればいいというような、単純なものではありません。タスクフォースの作り方のヒントとしては、次のようなものがあります。

問題解決に必要な知識を洗い出す

まずは、その問題を解決するのに必要な知識や技術は何かを洗い出しましょう。そして、問題解決に必要な部署を選抜します。全ての部署から優秀社員を引き抜いてくれば、日常業務にも大きく影響を及ぼしてしまいますから、必要不可欠な人数にとどめることが大事です。

もちろん、議論を重ねる中で、足りない知識や技術が出てくることもあるでしょう。そんなときは必要部署の人員を速やかに手配できるよう、臨機応変な対応を可能にしておきます。

どのような人材が必要か整理する

問題の種類によって、必要な人材は違ってきます。単に各部署で「優秀」とされる人材を集めても、当の問題解決のための能力に乏しい場合には、あまり意味がありません。各部署の長には問題の種類や目的をきめ細やかに伝え、適材を選抜してもらいましょう。

プロジェクトリーダーを選出する

議論が速やかに進むよう、プロジェクトリーダーを選出します。リーダーには、執行役員級の人材がふさわしいでしょう。各部署の優れた人材を集めた集団の中心となる人物ですから、とくに統率力に優れた社員が必要です。

スケジュールを詰める

プロジェクトリーダーと経営陣とで、全体的なスケジュールを決定しておきます。迅速な課題解決のためには、綿密なスケジュールが欠かせません。目的を実現するための肝となる部分ですから、慎重に、かつ具体的に設定しましょう。

業務サポート体制を徹底させる

タスクフォースのために優秀な人材が抜けてしまうのですから、現場には負担がかかりがちです。選抜メンバーに日常的な業務の負担がかかり続けないよう、各部署で業務サポート体制を徹底させましょう。メンバーが身体を壊してしまうと、タスクフォース自体のバランスが崩れてしまいます。業務上のケアを念入りに行うのは、課題遂行と同じように重要です。

タスクフォースは緊急性の高い課題解決に効果を発揮する

以上のように、タスクフォースは精鋭部隊として企業のピンチを支えるチームです。緊急性の高い課題が発生したら、ルーティンの会議を回すだけでは足りません。速やかにタスクフォースを結成し、柔軟で活発な意見が飛び交う場を作り上げましょう。

おわりに

タスクフォースが活躍する現場では、貴重な議論を記録していくための書記役も必要です。タスクフォースは課題が解決したら解散してしまいますから、戦略や情報が蓄積されていかない危険性があります。必ず、有用な資料にまとめられる書記役をつけ、議論の結果を今後の経営に役立てましょう。


[最終更新日]2018/09/10

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