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2018-07-252019/03/03

嘱託社員と契約社員の違いとは?意外と知らない嘱託社員の雇用形態

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  • 嘱託社員と契約社員は違うもの?それとも同じ?
  • 嘱託社員ってどういう働き方をするの?
  • 嘱託社員の給与やボーナスが気になる

こういった疑問をお持ちの方は多いのではないでしょうか?

嘱託社員も契約社員も、社内にいるので雇用形態としては知っている、という方は多いかと思います。

では、嘱託社員も契約社員の具体的な意味の違いをご存知ですか?

「なんとなく、嘱託社員のほうが『ベテラン』って感じがする……」と思ったあなた、あながち間違っていません。『ベテラン』は嘱託社員を定義する上でのひとつの重要なキーワードです。

嘱託社員の給与やボーナスといった給与形態も気になりますよね。正社員とどのくらい変わるのか、それとも変わらないのか。

本記事では、意外と知られていない、嘱託社員の雇用形態について解説します。

嘱託社員とは?

嘱託社員の定義

嘱託社員とは、正社員ではない雇用の一つの形です。多くは有期契約を結んで、労働時間や労働日なども個別に決められます。また、給与についてもさまざまで、労使間の合意に基づいて行われます。

なんだかユルい働き方のように見えますが、実は、「嘱託社員とはこういうもの」と定義する法律などはありません。多くの企業では、定年後に再雇用となる人を「嘱託社員」と呼んでいます。話し合いによって再雇用の給与を決め、個々人の都合に合わせた働き方をしてもらうことを、「嘱託として戻ってきてもらう」と表現することが多々あるようですね。

つまり、こういうことです。

  • 嘱託社員は法律上で定義されていない
  • 定年後に再雇用した人を一般的に「嘱託社員」と呼んでいる

また、企業が求めている特別なスキルを持った人を招き入れ、手の空いた範囲で働いてもらうようなときにも、「嘱託」という言葉が使われます。

医療ドラマなどで、「あの先生は嘱託だから、●曜日と●曜日にしかいない」といったセリフを聞いたことのある人も多いのではないでしょうか? あれも嘱託社員の働き方のひとつで、医師や弁護士といった特殊な技能を要する職業に多い雇用形態です。

あるいは、臨時職員や非常勤の職員として嘱託社員を迎え入れることもあります。こちらは、とくに行政関係では多い働き方です。

契約社員の定義

では、よく比較されることの多い契約社員はどういった定義があるのでしょうか?

契約社員は、雇用期間の定めのある労働者を指します。正社員は雇用期間が決まっていませんが、契約社員は一定期間内で働くという契約を結ぶ有期契約の一種です。

契約期間はさまざまですが、「原則として3年間」であることが労働基準法の第14条で定められています。つまり、契約社員は3年間を超えて契約してはならない、というのが法律の解釈です。

ただし、契約期間の満了後は再契約が可能なので、同じ職場で3年を超えて働き続けることもできます。もし再契約をしないのであればそこで契約が終わるので、次の雇用先を探さなければなりません。

契約期間内については、「やむをえない事情がない限りは解雇してはならない」と労働契約法で定められています。会社側の一方的な事情では解雇することはできません。

嘱託社員と契約社員の違い

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有期契約であることを考えれば、嘱託社員と契約社員との違いはないかのように見えます。確かに嘱託社員は契約社員の一種であり、契約期間が終われば更新するか否かを決めることになります。1回の契約期間が3年以内と決められていること、合理的な理由なしに雇止めができないことなどは全て同じです。

ただ、契約社員は基本フルタイムですが、嘱託社員は多くが時短勤務や週3日、週4日などの雇用契約を結んでいます。これは嘱託社員の多くが退職者であることとも関係しているでしょう。

つまり、再雇用をするにあたって、本人の体調や希望を優先して労働条件を決めようと努める企業が多いことの現れです。

さらに、医師など特別職としての嘱託の場合は、契約社員として有期契約を結ぶというよりは、独立したビジネスパートナーとして委託契約や請負契約を結ぶことのほうが多いでしょう。この場合、雇用ではないので労働法は関係なく、契約社員とは全く違う働き方となります。

嘱託社員を雇用するメリット

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特別職としてではなく、あくまで契約社員の一員として嘱託社員を迎えるときには、どんなメリットがあるのでしょうか? 主に2つの点が挙げられます。

ベテラン社員を安価で再雇用できる

退職者を嘱託社員として再雇用する場合は、自社の方針や仕事のやり方を熟知した人物を雇用できることにつながります。あくまで退職後のため、重要なポストにはついてもらえないものの、そのぶん給与は正社員時代よりも少なめなことが多いでしょう。

とくに人望を得ていた人であれば、職場にいてもらえるだけでチームのモチベーションが違います。そういう人が嘱託社員として残ってくれるのは、若い社員にとっては安心です。

その嘱託社員を目標にしている若い社員が多い会社であれば、再雇用するメリットはかなり大きいと言えるでしょう。

労使間でフレキシブルな契約ができる

単なる契約社員の場合は、フルタイムで勤務してもらいたい、また勤務したいという双方のマッチングがなければなりません。一方、嘱託社員の場合は、「週に3日だけ来てほしい」「時短で働きたい」といった労使の希望を、個々の契約によって叶えることができます。

嘱託社員側も定年後にフルタイムで働くのは体力的にしんどいと思うので、週5日から週3日に減らすといったような契約内容であれば、働いてもらいやすいでしょう。

人件費の削減につながる

新しい人材を雇用するよりも、経験のある人材を嘱託社員として再雇用する方が人件費の負担が少なくなります。労働時間や労働日数は短くなりますが、経験のあるベテランに嘱託社員として引き続き働いてもらえるのは、企業にとってはメリットがある雇用の仕方です。

もし新しい人材を雇用するのであれば、嘱託社員に新人教育をお願いすることもできるでしょう。業務を熟知しているベテランの嘱託社員に指導してもらえるのであれば、会社としてはすごく助かります。

新人教育には人手も時間もかかるので、仕事を手一杯抱えている正社員に任せるとなると通常業務が滞ってしまい、会社の利益にも影響しかねません。それならば、嘱託社員にお願いして正社員の負担が減らした方がいいでしょう。

嘱託社員の給与体制

嘱託社員の給与は、一般的に再雇用前の6〜7割になるとされています。職務内容にもよりますが、仮に週5日勤務から週3日勤務になって労働時間も減ったのであれば、給与はそれくらいになるでしょう。

労働時間が正社員の時と同じであれば、給与は変わらないでしょうけれど、嘱託社員は労働時間と日数を減らして再雇用することがほとんどです。

また、高年齢雇用継続給付や、年金を受け取りながら働いた場合は在職老齢年金が関係してくるので、その部分は会社側と嘱託社員側で給与の調整が必要となります。

では、嘱託社員のボーナスはどうなるかというと、会社によって異なるので一概には言えません。そもそもボーナスは法律で支給が義務付けられておらず、会社が独自に就業規則で決めているものです。

正社員も嘱託社員もボーナスを支給する会社もありますし、正社員だけで嘱託社員や契約社員にはボーナスを支給しないと就業規則で定めている会社もあります。

ただ、嘱託社員はこれまで正社員として働いてきた人を再雇用するわけですから、ボーナスが全くなしというのは難しいところ。一般的には、嘱託社員は正社員と比べてボーナスが低い場合が多いです。

企業には雇用形態の多様化が求められる時代

子育てや介護により、労働時間に制限のある人が増えています。企業にとっては、雇用形態の多様化が求められる時代といえるでしょう。一つの働き方として、嘱託社員に目を向けてみてはいかがでしょうか。嘱託社員なら、「一人分の仕事を主婦二人でシェアし、カバーし合いながら働く」といった働き方もできるはずです。

企業側は、定年を迎えた正社員を嘱託社員として再雇用するメリットに注目してみてください。仕事の経験は一朝一夕で身につくものではありませんし、長く自社で勤めた社員の持つ経験やスキルは貴重です。

どの業界も人材不足に悩んでいる時代ですので、新人を雇用するのが難しい場合は、定年退職する予定の正社員に嘱託社員として働いてもらえないか話してみてはどうでしょう。

嘱託社員として再雇用する場合は、労働時間や給与などの条件面の調整が必要ですが、お互いに納得ができて、お互いにメリットのある内容で契約したいですね。

おわりに

正社員としてバリバリ働いてきた人や、正社員としての雇用に憧れがある人にとっては、嘱託社員の働き方は「ぬるい」と思ってしまうかもしれません。しかし、たくさん働いて、結果健康を害するようながむしゃらさは、現代ではすでに「働きすぎ」「自己管理がなっていない」とささやかれるようになっています。

これからの働き方についてよく考え、多様な雇用形態があることを認めましょう。各人がライフスタイルにのっとったワークライフバランスを実現し、個人としての幸せを勝ち取れることが、理想とされる世の中になっています。


[最終更新日]2019/03/03

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