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2017-12-272019/03/04

カフェテリアプランを詳しく解説!導入するメリットや代表的なメニュー例、選ぶコツを紹介


  • 福利厚生の利用率が低い…どうすれば社員に利用してもらえる?
  • カフェテリアプランって最近よく聞くけれど、どんなメリットがあるの?
  • カフェテリアプランを導入する時は何を見て選べばいいの?

本記事では、福利厚生に関する悩みや疑問にお答えします。

社員のために福利厚生を充実させたいけれど、コスト面でも不安があるし、社員みんなに必要な福利厚生なのかどうかが判断しづらい。そんなときに有効なのが、カフェテリアプランです。

最近は導入する企業が増えていて、福利厚生を充実させられるとして高い評価を受けています。大企業だけでなく中小企業での導入も進んでいて、カフェテリアプラン導入は求職者へのアピール材料にもなります。

本記事では、福利厚生でカフェテリアプランを導入するメリットやデメリット、代表的なメニュー例をご紹介! 福利厚生の利用率が低いという悩みを抱えている経営者は、カフェテリアプランの導入を検討してみてはどうでしょう。

【カフェテリアプランのポイント】

  • 自社の社員に利用してもらえるメニューを整える
  • 定期チェックをして利用率を高めていく

カフェテリアプランとは?

カフェテリアプランとは、カフェでメニュー表から好きなものを注文するように、たくさんの福利厚生のなかから、社員自らが自分に合ったものを選べる制度です。どのような福利厚生がメニューに並ぶかは、企業によって違います。

カフェテリアプランでは、企業がスタッフに福利厚生のためのポイントを付与し、個々人がポイントの範囲内で福利厚生を受けるという仕組みがとられます。ポイントは有効期限付きで、年度の初めなどに付与される、といった形です。

日本でカフェテリアプランが初めて導入されたのは1995年、ベネッセコーポレーションでのことです。その後、TOTOやコクヨ、アサヒビール、日本オラクル、ユニリーバなど、多くの大企業や有名企業が取り入れるようになってきました。

カフェテリアプランの代表的なプラン例

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カフェテリアプランのメニューに載るのは、例えば次のような福利厚生です。

家庭環境を整える

住宅補助、育児休暇、保育補助、託児所補助、介護費補助など、家族を支えるための補助制度です。

キャリア支援

資格試験補助など、社員が自らのキャリアを磨くことを応援する制度です。

レジャー

旅行補助、宿泊補助、交通機関のチケット補助など、余暇を充実させるための制度です。

健康増進

人間ドック補助、スポーツジム利用補助、マッサージ利用補助など、社員の健康を支えるための制度です。

財形貯蓄

賃金から向上して積立を行ったり、持株会補助をしたり、社員の財形貯蓄を支援するための精度です。

カフェテリアプランを導入するメリット

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社員の多種多様なライフスタイルにフィットする

カフェテリアプランを導入すれば、「使う権利はあるのに、使う機会がない」といった福利厚生の無駄がなくなります。利用したい福利厚生がなく、特に活用していないという社員は意外と多いものです。

例えば、独身者にとっての育休制度、運動が苦手な人のスポーツクラブ利用補助、持ち家の人の住宅補助などは需要があります。でも、従来の福利厚生ではそうした選択肢がなく、「福利厚生を使わないから、何だかそのぶん損をしている気がする」と感じる社員が増え、それが会社の待遇への不満となってしまいかねません。

カフェテリアプランを導入し、福利厚生メニュー表の中から社員が自由に選べる形式にすれば、そうした不満も解消されるでしょう。それぞれの社員のライフスタイルに合わせて福利厚生を選べるのが、カフェテリアプランのメリットです。

福利厚生にかかるコスト管理が徹底される

カフェテリアプランはポイント制なので、年によって福利厚生の利用率が大きく変わることはありません。つまり、企業にとってはコスト管理をしやすい仕組みといえます。

長く仕組みを導入すれば、長年において誰も選ばないような福利厚生はメニューから外すといったこともできてきます。導入初年度は手探りの状態だと思いますが、1年運用してみると利用されるメニューとされないメニューがはっきり分かってくるでしょう。

どれくらいの利用度でメニューから外すか、その基準を調整するのは難しいですが、明らかに利用されていないメニューは外すことでコストの無駄を省けます。利用されているメニューを取り揃えれば、社員の満足度も高まることでしょう。

採用に際して有利となる可能性がある

カフェテリアプランがあることを明言して採用活動を行えば、優秀な人材が集まってくるきっかけになります。求人募集に「カフェテリアプラン導入」と書いておくと、ひとつの売りになるでしょう。

なぜなら、就職活動をする若者にとって、福利厚生が充実していることは重要なポイントだからです。同じくらいの条件の求人が複数あるなら、福利厚生が充実している会社で働きたいと思う人は多いことでしょう。

カフェテリアプランの豊富なラインナップと合理性に惹かれる求職者は多いので、それを見越して導入するのもひとつの求人戦略です。最近はカフェテリアプランを導入する企業が増えているので、必要な条件となるかもしれません。

カフェテリアプランのデメリット

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本当に必要なときポイントが足りないかもしれない

ポイントを前もって使ってしまうと、本当に必要になったときに適切な福利厚生を受けられないかもしれません。どんな福利厚生を受けるか、年単位で考えて組み立てる必要が出てきます。

また、福利厚生を併用することができないと、悩む場面も出てきます。

例えば、育児補助を受けながら子どもを保育園に預け、空いた時間で資格取得補助を受けながら勉強したいと思っても、両方を利用するにはポイントが足りないかもしれません。この場合、どちらか一つだけを利用できても、あまり意味がありませんよね。

カフェテリアプランのメニューはバランスも大事なので、従業員の需要も考えて配分しましょう。

ポイント管理のため総務の仕事が増える

どの社員がどれだけのポイントを使い、どんな福利厚生を使ったのかを管理する仕事が新たに発生することになります。社員数が多くなるほど、管理が大変です。

自社でカフェテリアプランを運営する場合、総務の負担を減らすために自動化する必要があります。カフェテリアの申請やポイントを自動決済できるように設定しておけば、総務の仕事はだいぶ減るはずです。

大企業ともなるとカフェテリアプランの申請者は相当な数になるので、自動化しないと運用が厳しくなるでしょう。導入する際は、総務の負担も考えて可能な限り自動化できるようにすることをおすすめします。

カフェテリアプランはアウトソーシングすることも可能

カフェテリアプランは、福利厚生を代行してくれる会社にアウトソーシングすることも可能です。ポイント管理を代行してくれるのはもちろん、プラン設計段階から関わってくれるため、初めての導入でも心強い味方となるでしょう。

どんなメニューを導入すべきか、どの程度のポイントを付与するのが適当なのかなど、相談にのってくれます。

カフェテリアプランの代行サービスを選ぶコツ

カフェテリアプランをアウトソーシングする際は、各社のメニュー内容の充実度と従業員1名あたりの料金を比較しましょう。

カフェテリアプランは代行サービスによってメニューが異なります。どのようなジャンルに強みを持っているのか、それをまずチェックしてみてください。

ここで重要になるのが、自社の社員のニーズとメニューが合っているかどうかです。どれだけメニューが充実していても、自社での利用率が低いと導入する効果が薄れてしまいます。

ですので、代行サービスを選ぶ前に自社の社員にアンケートをとるなどして、自社でニーズのあるメニューを洗い出しておくといいでしょう。その上で、従業員1名あたりのコストが予算内であるかを比較してください。

大事なのは社員に使ってもらうことで福利厚生を充実させ、かつ運用するコストを効率化することです。自社の社員の年齢層や既婚未婚の割合、働き方などを加味し、利用してもらえるカフェテリアプランを選ぶようにしてください。

カフェテリアプランは導入して終わり、ではない

カフェテリアプランは導入後もメニューの利用率などの定期チェックを行い、自社の社員のニーズに合わせて調整することが大事です。言わば、カフェテリアプランは導入してからの調整をしっかり行なうかどうかで、成功するかどうかが別れます。

定期チェックを怠ると、結局は導入前のように利用されない福利厚生になってしまいかねません。そうなると、いくらカフェテリアプランがコスト面で効率が良いといっても、無駄になってしまいます。

社員も良さそうなメニューを選んで利用してみたものの、「イマイチだった…」ということもあるかもしれないので、単純に利用率だけで判断せず、社員の声も聞いて調整するようにしましょう。1年、2年、3年と運用するごとにカフェテリアプランの精度が上がっていくので、短期間で良し悪しを決めるのではなく、長期的な視野で継続して利用するかを判断していただければと思います。

おわりに

ずっと使われていない福利厚生があるのは、コストの面で非常にもったいないですよね。社員の満足度の面でも、利用されていない福利厚生を運用するのは望ましくありません。

「人気がないから、こっちは辞めて新しい福利厚生を導入しようか」と悩んでいるのでしたら、カフェテリアプランをおすすめします。古い福利厚生はそのまま、新しいプランを導入しても、コストが余分にかかることはないので安心してください。

古いものは徐々に整理していくことにして、まずは新たに必要度の高い福利厚生を導入しましょう!


[最終更新日]2019/03/04

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