行動理念とは社員が仕事で行動する上での基本的な考え方を示すもの

行動理念とは何か?行動指針との違いや企業における役割と意味、作り方を一から解説

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「行動理念」は、社員が企業人として行動する上での基本的な考え方を示すものです。また、「行動理念」は、会社の「基本方針(経営方針)」を実現するのに欠かせません。しかし、意外とその役割と意味を正しく理解している経営者は少ないように思えます。

そこで本記事では、「行動理念」の企業における役割と意味について解説します。作り方もあわせて解説していますので、「基本方針(経営方針)」が完成したら、次は「行動理念」をじっくり考えてみてください。行動指針との違いはあるのか?についての疑問にもお答えします。

行動理念とは?

行動理念は、社員たちの仕事に対する考え方や行動を示すものです。経営理念と基本方針は【会社】を主語として作成しますが、「行動理念」は【社員】を主語として作成します。

社員の行動によって会社の向かう方向が変わりますし、顧客やクライアントからの印象も社員の行動で変わるものです。行動理念は、会社が社員に求める「行動の基本的な考え方」を示すもので、共通して認識してもらうことで、ベクトルを一つにします。

行動理念と行動指針の違いは?

行動理念のほかに、行動指針という呼び方もあります。「行動理念と行動指針の違いはあるのだろうか」と疑問をお持ちの方も多いことでしょう。

結論をいうと、行動理念と行動指針はどちらも同じ意味です。企業によっては行動理念ではなく行動指針と表記している場合もありますが、「行動理念」=「行動指針」と考えていただいて問題ありません。

行動理念の役割

まず企業が目指すべき姿として経営理念を掲げ、次にそれを実現するための基本方針(経営方針)を作ります。しかしそれだけでは、社員は実際にどのような行動をすればいいのかわかりません。それに、社員がそれぞれ好き勝手に行動していては、一丸となって(足並みを揃えて)経営理念を実現することができないですよね。

社員に同じ方向(ベクトル)を向いて行動してもらうには、行動の考え方の基準となる行動理念が必要となります。具体的な役割でいうと、行動理念は、基本方針(経営方針)のひとつひとつを実現するための行動基準です。

会社の理念・方針は、「経営理念」をピラミッドの頂点にして、以下の順番で考えます。

「経営理念」

「基本方針(経営方針)」
↓↓
「行動理念」

行動理念は社員の行動を「縛るもの」ではなく、仕事をする上での「判断のよりどころ」になる内容にすることが大事です。あらかじめ行動の基準を決めておけば、社員が行動に迷った時に判断の基準にできますし、間違った方向に進むのを防ぐことができます。

行動理念の項目が少なすぎると行動に迷いますし、かといって多すぎても覚えきれません。また、実践してもらうには、わかりやすい表現や言葉選びを意識することも大事です。

次項で解説する「行動理念の作り方」を参考に、社員が実践してもらいやすく、かつ社員が行動する際の判断の基準となるような行動理念を考えてみてください。

企業の活動方針の基準となる経営理念の作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。経営理念の作り方がわからない方は、ぜひお読みください。

経営理念とは?社員の成長が加速する経営理念の作り方 5つのステップ、参考にしたい事例7つも紹介

行動理念の役割

行動理念の作り方

行動理念は、以下の7つの視点で捉えると考えやすいです。

  1. 【顧客】に対する方針を実現するために、社員がすべき行動
  2. 【商品・サービス】に対する方針を実現するために、社員がすべき行動
  3. 【社員】に対する方針を実現するために、社員がすべき行動
  4. 【会社】に対する方針を実現するために、社員がすべき行動
  5. 【地域】に対する方針を実現するために、社員がすべき行動
  6.  会社の「基本方針】を実現するためにすべき行動
  7.  違う方向を向いて仕事をしている社員を、同じ方向に向けるための方針

基本的な行動を【顧客】【商品・サービス】【社員】【会社】【地域】の5つに分類すると、それぞれの状況に応じた行動理念を考えやすいです。その上で、会社の「基本方針(経営方針)」を実現するためにどういった行動をとってもらいたいのか、どの方向に向かって行動してもらいたいのかを考えてみてください。

行動理念は、社員が同じ方向(ベクトル)に向かい、基本方針を実現できるようにすることが最終的な目的となります。ですので、常に基本方針を頭に置いて考えましょう。

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行動理念の語尾を「〜します」と表現する

行動理念を「〜すべき」や「〜しなさい」といった語尾にすると、強制的に従わされる印象を与えてしまいます。自分の行動を強い言葉で束縛する言い方に反発を覚える社員もいるかもしれません。

語尾を「〜します」という表現でまとめると、社員自身の行動理念となるため、自発性を促すことができます。強制するのではなく、「自分から行動している」という意識を持たせることが大事です。

先に述べたように、「行動理念」は社員に実践してもらうための指標となるので、わかりやすい表現・言葉でまとめるようにしましょう。

行動理念を情意項目に落とし込む

従来の人事評価制度では、成果を出せばプロセスは問わないという考え方が主流でした。しかし、「人」を見ない成果主義の評価では個人プレーが起きやすく、また、人材育成が進まない原因にもなってしまいます。成果主義の考え方は輸入されたものですが、日本のとくに中小企業にはマッチしてこなかったといえるでしょう。

これからの時代の人事評価制度では、情意項目が重要な評価項目になります。なぜなら、情意項目で仕事に対する姿勢や考え方を評価することで、社員が成長しやすくなるからです。人間力を情意項目で養うことこそが、今、求められているのです。

人が育ちやすい会社を作るには、行動理念を実践している社員を評価する制度が必要となります。それを実現するためには、行動理念を情意項目に落とし込んで評価することが大事です。

例えば行動理念として「謙虚かつ誠実に対応することで、顧客との信頼関係を築きます」「価値を生み出すための技術とサービスにこだわります」「本音で前向きに、社員同士向き合います」「自己投資を継続し、人間力を高め、社会と会社に貢献します」といったものを掲げたとしましょう。

すると、情意項目としては「感謝」「積極性」「地域貢献」「責任感」といったようなものを掲げることができます。このように、行動理念を情意項目に落とし込んで行動を評価することで、成果だけでは判断できない「人間力」が明らかになり、社員が育つ会社になっていきます。情意評価は「人づくりそのもの」といっても過言ではありません。

もちろん成果を評価する業績項目も必要ですが、評価制度を人材育成につなげるのであれば、行動理念を落とし込んだ情意項目を作ることをおすすめします。情意項目の詳しい作り方は、以下の記事をご覧ください。
「情意考課(情意評価)」は経営理念の実現に不可欠、人事評価に取り入れる際の5つのポイントとは

なお、効果の高い人事評価制度の作り方は、以下の記事で詳しく解説しています。
人事評価制度の作り方を一から解説(成功事例を4社紹介)- 人材を育成するための仕組み作り

行動理念の事例

行動理念の事例としては、例えば、次のようなものが挙げられます。

  • 現状に満足することなく常にチャレンジし続けます
  • 何事もポジティブに考え、失敗を恐れず行動します
  • 感謝の気持ちを忘れず、常に謙虚な姿勢で接します
  • 礼儀を重んじ、自ら笑顔で挨拶を心がけます
  • 社内外との約束を厳守し、信頼関係を築きます
  • 自らの意思、考えをもってコミュニケーションを行います
  • 常に相手のことを考え、チームワークで成果を目指します
  • 先延ばしをせず、スピーディに対応します
  • 先読みをし、優先順位を考えながら仕事を実践します
  • 1円の重みを忘れずに、コスト意識を持って行動します

いかがでしょうか。ぜひ、御社に合う行動理念を手作りしてみてください。

おわりに:ビジョン実現シート®で行動理念を浸透させる

行動理念が自然に浸透するのを待つのではなく、評価制度に落とし込んで社員に意識させるなど、経営者側の工夫が必要です。社員が自発的に行動理念を理解し実践してくれるのが理想ですが、待つだけではなかなか浸透しません。

そこで、行動理念を社員全員に浸透させる方法として、経営計画と人材育成計画をA4一枚の紙にまとめた「ビジョン実現シート®」の作成をおすすめします。A4一枚サイズの「ビジョン実現シート®」なら、社内やデスクの前に掲示したり、持ち歩いたりできるので、社員に経営計画を意識してもらいやすく、行動理念の浸透にも効果的です。

経営理念・行動理念の理解と実現にも効果的な「ビジョン作成シート」の作り方は、こちらのページをご覧ください。

経営理念をA4用紙1枚に!従業員の理解と共感を助ける「ビジョン実現シート®」の作り方

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この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である『【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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「人材」ではなく「人間」としているのには、こだわりがあります。
それは、会社の中で仕事ができる「人材」ではなく、仕事を通じて地域や環境、社会に貢献できる「人間」を育てる事を目指しているからです。
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日本人事経営研究室 代表取締役 山元浩二氏

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