評価制度の核になる「評価基準」の設計手法:人評価制度つくり方講座1

評価制度の核になる「評価基準」の設計手法:人評価制度つくり方講座1

【評価基準創りその1】

いよいよ具体的な人事評価制度設計へと入っていきます。
人事評価制度の3本柱
『評価制度』
『賃金制度』
『昇進昇格制度』
について順に解説していきます。
今回は『評価制度』の核になる【評価基準】に関してその設計手法を考えていきましょう。

 

【評価基準】は人事評価制度の中で最も重要で制度の核になる部分です。それは【評価基準】の役割がなんなのかを把握すれば理解できます。【評価基準】の役割は『社員の行うべき仕事・役割を明確にしたもの』です。
もっと解りやすく言えば社員さんに対して『こういう意識でこのように行動してください』ということを【評価基準】を通して伝えていかなければなりません。

 

逆に言えば間違った【評価基準】を作成してしまうと社員が間違った行動をとってしまう。会社の意図しない仕事を行ってしまうということになってしまいます。ですから【評価基準】創りには一番時間をかけて試行錯誤を売り返しながら作成して行きます。

 

ただし、矛盾するようですが『完璧』は求めないでください。過去の失敗例として100%完璧に近い評価基準を作成しようとしたために評価基準作成だけで1年以上の期間を費やし、いつまで経っても人事評価制度が完成しない、ということもありました。

 

「60%?70%の出来かな?」という段階で十分です。「それで大丈夫なの?」という声が聞えてきそうですが、大丈夫です!!残りの不完全な部分は実際に運用しながら改善をしていくのです。

 

100%と思って導入しても実際に評価をしてみて
「こんなことも評価項目として必要だった」
「部門の戦略が変わったので変更せざるを得なくなった」
「基準のレベルが高すぎた」
等々改善すべき点が必ず出てきます。

 

もう一度繰り返しますが、【評価基準】はまず「60%?70%」の出来を目指してください。要は当初立てた設計スケジュールを守っていただければ結構です。

 

それではいよいよ【評価基準】の考え方ですが、次の4つの視点で【評価基準】の内容を考えていく必要があります。

(1)会社方針・戦略に基づいた内容
(2)役職に基づいた内容
(3)部署の課題、改善点に基づいた内容
(4)現状やっている仕事に基づいた内容

以上4つの視点です。
それぞれの解説、考え方については次回!