経営計画書を評価基準に落とし込む手法と具体例:経営計画を【絵に描いた餅】にしないために4

経営計画書を評価基準に落とし込む手法と具体例:経営計画を【絵に描いた餅】にしないために4

前回に続き、「経営計画書を【絵に描いた餅】にしないためには」というテーマでお話しています。
今回は実践編その2!
【伸びている企業は人事評価制度を経営計画実現のために有効に活用している】
では、その活用の方法は・・・・。
 
今回は経営計画書を評価基準に落とし込む手法を具体的にご紹介するということにしていました。
 
早速、その事例を職種別に具体的にご紹介していきましょう。
 
まずは、顧客情報の活用がうまくできていない営業職の例
 
A.戦略;「営業に結びつく徹底した情報収集、管理、共有化」
B.計画;「顧客カルテを作成し情報収集と管理を実施」
C.実践;「作成した顧客カルテへ営業マンが記入、サーバーで保存・管理」
D.実際の仕事上での行動;「顧客カルテの記入、サーバーへの保存、営業職全員の閲覧」
 
Dから【評価基準】の評価項目を作成します。
 
【評価項目例】
(1)顧客カルテの記入、更新を毎日漏れなく行っていたか
(2)顧客から有用な情報を収集できていたか
(3)他の営業社員の情報全てに目を通していたか
(4)顧客情報の活用方法についてミーティングで提案していたか
(5)顧客情報収集件数
(6)顧客情報有効活用件数
 
※この会社では(3)を確認できるように顧客カルテにサインができるようにしています。
 
次に月次決算完了業務の効率化を課題に上げた経理職の例
この会社では月次決算完了の目標日が決まっておらず、翌月20日前後に試算表ができあがるという状態、現状のシステムで実現は可能とします。
 
A.戦略;「月次決算完了日を翌月10日とし経営判断の迅速化を実現」
B.計画;「月次決算スケジュールの徹底、遵守」
C.実践;「月次決算スケジュール作成、関連部署との調整」
D.実際の仕事上での行動;「月次決算スケジュール作成、経理部署内で帳票等の責任者をつくる、関連部署への告知と協力依頼、その実行」
 
【評価項目例】
(1)月次決算スケジュールを作成し、それに基づいた行動ができていたか
(2)自ら担当する書類やデータは期限を守って集約、提出できていたか
(3)関連部署からの協力は得られていたか
(4)試算表に基づいて財務ポイントを把握、報告できていたか
(5)決算完了日目標達成度
 
経理や総務職はどこで評価したらよいのかわからない、とよく言われますがこのように改善課題を目標に掲げ、行うべき行動を明確にすると評価が行いやすくなります。
 
こうして、経営計画からの行動基準を評価項目として作成することによって、
 
「評価項目にもとづいて社員が行動、実践」
   ↓
「計画の実現」
   ↓
「戦略の実現」
   ↓
「目標の達成」
 
とつなげて行きます。
 
このプロセスを実現し、評価制度を会社の目標達成のためのツールとして活用していきます。
 
評価項目づくり自体は大変なことですが、仕事を担当する部署のリーダーと一緒に作成していくことによってそのリーダーの教育にもつながります。ここも人事評価制度づくりの大きなメリットですね。
 
「社員の育成と会社の業績、目標達成」これが人事評価制度のゴールなのです。
【伸びている企業】は人事評価制度をこのように活用しているのです。