評価を目標に対する達成率で行う:公平な業績目標設定1

評価を目標に対する達成率で行う:公平な業績目標設定1

前回までで人事評価制度の設計手法についてお話してきましたが、今回からは予告どおり人事評価制度をどうやったら具体的に社員の育成や業績に結び付けていくかをお伝えしていきます。
 
確認ですが『人事評価制度設計:運用』の重要度は『2:8』で運用が重要ということでしたね!
 
さて、「社員育成や業績に結びつける」といってもそれが導入してすぐに効果として現れるわけではありません。その前に運用時にまずクリアーにしておかなければならないことは評価項目の公平性です。一定水準以上の公平性が保たれていないと逆に社員のモチベーションの低下を招きかねないからです。
 
例えば営業職の業績評価項目として
(1)売上
(2)粗利
(3)営業利益
(4)新規獲得件数
という4項目で評価を行うとします。
 
しかし、このような結果数値だけで評価しようとすると「不公平だ!」という社員がどうしても出てきてしまいます。
彼らはこう言います。
「エリア換えをされもともと業績が悪いエリアを持たされた」
「自分のエリアに競合他社の営業所ができて不利だ」
「オレは既存顧客が多いので新規訪問の余裕がない」
等々彼らは目標を達成できなかったときの正当性を一生懸命主張します。
 
このような時は次の3つの方法を使って評価に公平性を持たせてください。
<1>評価を目標に対する達成率で行う
<2>プロセス数値の評価項目を加える
<3>業績項目以外の評価項目を強調する
 
まず、<1>についてですが上記のような事情を加味した上で個々の営業マンごとに別々の目標数値にします。その目標に対しての達成率で評価を行っていくのです。こうしてより個々人の事情を考えた評価方法とし納得感を持たせていきます。
 
次に<2>についてです。先ほど『結果数値』と書きましたが、(1)~(4)はいずれも業績の【結果】を評価していく項目です。これに対して『プロセス数値』を評価項目として加えていくのです。『プロセス数値』とは
●セールス電話件数
●(新規)訪問件数
●面談件数(決裁権限者との)
●企画書提案件数
●見積もり提案件数
等の『結果数値』が上がるまでの【プロセス】段階を評価項目としていくのです。こうすることによって結果をすぐに出すのが不利なエリアを担当した人でも行動で評価を高めていくことができます。
 
ちょうど、昨日も<2>についてあるお客様のところで検討をしていたのですが、社長は「(プロセス数値を加えることにより)とてもスッキリした」とおっしゃっていました。
 
なぜ「スッキリした」とおっしゃっていただいたのか。その理由は単に評価項目として公平性があるということだけではありませんでした。それは<3>のお話と合わせて次回とさせていただきます。お楽しみに!!