【お客様の視点】に立った人事コンサルティング:お客様の視点で考える1

【お客様の視点】に立った人事コンサルティング:お客様の視点で考える1

【お客様の視点】
マーケティングの分野ではもう当たり前の考え方ですね。
 
この対極にある考え方が【開発者の視点】、【販売する側の視点】ということになるのでしょうか。
 
コンサルティングの現場でも、この【お客様の視点】で考えるのが非常に難しいということを痛感します。
 
例えば、クライアントとの打合せで商品の広告について検討しているときに、【お客様の視点】で考えているつもりでも、その業界の素人の私からいわせれば、「そんな言葉知らないですよ」とか「そんな表現ではぜんぜん意味が伝わりませんね?」となってしまうことがよくあります。
 
【お客様の視点】で考えるということは、お客様とのコミュニケーションの中では相手の立場に立って、お客様にわかりやすく伝えなければなりませんよね。
 
ところが、私たちの業界を見渡してみるとそんな視点で人事評価制度創りを行う人はなかなか少ないように感じます。
 
人事コンサルティングの現場では人事専門用語をよく使います。
「定昇」「ベア」「等級」「考課」「コンピテンシー」「処遇」「職能」「職務要件」。「定昇」「ベア」なんていう言葉はよく聞くので知っているつもりでもその本来の意味を説明できる人はなかなかいません。
 
人事関連の研修時に使う言葉まで含めるとまだまだ広がります。
「ハロー効果」「対比誤差」「絶対評価」「厳格化傾向」・・・等々。
 
言葉だけ聞いても意味がわからないでしょう?
 
しかし、実際にこの言葉を活用し、人事評価制度を運用していくのはその会社の社員なのです。
 
まして、私たちのクライアントは中小零細企業、そこの社員にこんな難しい言葉を教えて、日常の仕事の中で活用させていくにはかなり無理があります。
経営者でさえ解説なしではほとんど意味がわからないという方も、少なくありません。
 
しかし、人事コンサルタントはそんなことはおかまいなし。わかりにくい人事用語を連発しながらコンサルや研修を行い、難解かつ分厚いマニュアルができあがります。結果・・・誰も読みはしません。当然、社員に理解されていないので定着しません。成果も出ません。
 
どうしてこうなってしまうのか!?
 
それは、私たちが誰をお客様と見るかの違いです。もちろん人事コンサルを依頼した企業がお客様なのですが、その企業の中の誰をお客様として制度をつくっていくかということです。
 
上記のようなコンサルティングをする人は【社長】をお客様ととらえて、【社長】に満足してもらうような制度づくりをしているのです。
 
これに対して、私は【社長】プラス【社員】もお客様としています。お客様に【社員】が加われば【社員】にわかりやすく、受け入れられやすいものをつくっていこうと考え、制度の中身に反映させます。
 
「社長?!!それでは、社員が納得できるような制度にはなりません!」と激しくやり合う場合もあります。
 
おかげで現在お手伝いさせていただいているクライアントはかなり短期間で社員への浸透と成果を出せるようになってきました。
 
【社員満足を高める人事評価制度】、その具体的な手法についてはまた、次回お話します。