中小企業で使える3つの商品戦略、どんな会社でも使えるスタンダードな商品戦略の立案方法|人事評価制度・賃金制度のノウハウ | 日本人事コラム

中小企業で使える3つの商品戦略、どんな会社でも使えるスタンダードな商品戦略の立案方法

中小企業で使える3つの商品戦略

中小企業が成長を続けるために必要な戦略の1つとして「商品戦略」があります。「商品企画・開発プロジェクト」と「商品ランク分類」、そして「生産計画と実行」の3つです。戦略を考えるといっても、難しいのではと構える必要はありません。どんな会社でも使える、スタンダードな商品戦略の立案方法を解説します。

中小企業の商品戦略

商品戦略とは、自社の商品やサービスをどう開発し、どのように販売していくかといった方針を固めることです。ものづくりをしている企業にとっては一番といってもいいほど重要な戦略ですし、企業が社会に提供しているもの全てをサービスと捉えれば、商品戦略はどのような企業においても必要といえるでしょう。

また、マーケティング戦略の用語として似たような言葉に「製品戦略」があります。製品戦略とは、「プロダクト(Product)戦略」とも呼ばれ、マーケティングミックスの1つです。マーケティングミックスには、他に「価格(Price)戦略」「流通(Place)戦略」「プロモーション(Promotion)戦略」があり、「プロダクト(Pro
戦略」と合わせて「4つのP」といわれています。

4つのPの中で、製品戦略はターゲット層にどんな製品やサービスを提供するかという役割を担っています。そして他の3つの戦略と連動させながら、製品を顧客へと届けていきます。

今回解説する「商品戦略」は4つのPの中の1つというくくりではないため、若干意味合いが違ってきますが、用語として押さえておきましょう。

中小企業で使える3つの商品戦略

中小企業で使える3つの商品戦略について、順に解説していきます。

戦略1:商品企画・開発プロジェクト

中小企業では、商品の企画や開発を専門に行う部署を持つところは、そう多くはありません。社長が自ら商品を見つけてきたり、自社で開発をしたり、あるいは営業部長や店長がサービスを考えて商品化しているケースがほとんどです。

中小企業の経営者や社員は誰もが複数の業務を抱えて仕事に取り組んでいます。このような状況を逆に利用し、幅広い人たちが企画や開発にかかわっていけば、広い視野でよりよい商品やサービスが生み出せる可能性が高まります。こうすることで、中小企業の弱みとされる「専門部署や専任者をつくれない」といった点を強みに転化できるのです。

具体的には全社的な「商品開発コンクール」や「商品企画提案制度」を導入します。成功のポイントはしっかり運営をすること。集まった企画や提案にきちんと目を通し、採用されなかった場合でも本人にフィードバックすることが大切です。社長や幹部が主体となって制度を運営していきましょう。

戦略2:商品ランク分類

「商品ランク分類」とは、自社の業績への貢献度を商品やサービスごとに分類し、ランクづけすることです。まずは商品・サービスごとに次の指標を分析してみましょう。

  • ①粗利益
  • ②売上
  • ③販売数量、利用回数
  • ④売上および粗利益の商品ことのシェア
  • ⑤ ①〜④の過去3年以上の推移
  • ⑥取扱い、サービス提供期間

そして①〜④に関しては高いものから並べて順位づけをします。次に重要度の優先順位を考えて並び替え、業績への貢献度を分析して把握します。業種や商品に応じて「回転率(数)」や「在庫期間」などを指標としてもよいでしよう。

最初は貢献度が正しい順位になっているか判断できない場合も出てくるでしょう。そのようなときでも、指標を入れ替えながら時間をかけて徐々に正しい貢献度を把握します。

【商品ランク分類の例】

  粗利益
(千円)
粗利率 シェア 売上
(千円)
シェア 販売個数
A商品 23,000 31.94% 53.66% 72,000 38.33% 350
B商品 12,000 13.19% 28.00% 91,000 48.45% 780
C商品 4,000 48.78% 9.33% 8,200 4.37% 280
D商品 3,000 27.27% 7.00% 11,000 5.86% 600
E商品 500 26.32% 1.17% 1,900 1.01% 200
F商品 200 8.70% 0.47% 2,300 1.22% 120
G商品 80 13.33% 0.19% 600 0.32% 24
H商品 50 11.11% 0.12% 450 0.24% 3
I商品 30 7.89% 0.07% 380 0.20% 2
合計 42,860 22.82% 100% 187,830 100% 2,359

上記の事例では、粗利益額をもっとも重視した結果、売上がいちばん大きなB商品でも貢献度は2番目となりました。またC商品は、売上シェアは小さいのですが、粗利率がダントツに高く、単価は低くて販売しやすいので、重点商品として強化することになりました。

さらに、粗利・売上シェアともに低く、販売個数も少ないG・H・I商品については取り扱いをやめることに。こうして現状を分析・把握したうえで各商品の貢献度・成長性などを加味して戦略を決め、全社員に公開、共有し、実行します。

戦略3:生産計画と実行

この戦略は主に製造業、メーカーに必要となる戦略です。まずは経営計画を立て、そのなかの商品販売や開発計画にもとづいて「生産計画」を立案し、その準備をしておく必要があります。

自社で工場を持った企業は生産量に応じた人員計画や資材調達、設備、下請けや外注・協力先との体制づくりが必要です。工場を持たないファブレス企業も、提携工場の開拓や、商品によっては社外のデザイナーやコンサルタントとの提携のめどをつけておかなければならない場合もあるでしょう。

消費者の支持を広げていくために、製造業同士で手を組むケースもあるでしょう。受注が決まった生産計画だけではなく、将来の売上、利益計画を実現するための体制と仕組みづくりが生産担当者には求められます。

また、これらの計画を過剰在庫や無駄な資材調達につながらないよう推進していくために営業や社外と連携し、コミュニケーションをとることも重要です。こうした点をきちんとルール化し、活用ツールなどを決めてスピーディーで臨機応変に対応できる体制を整えておきましょう。

「依って立つところとしての経営計画がない」「経営計画をどのように作れば良いか分からない」という方は、以下の記事を参考にしてください。分厚い経営計画書を作成する必要はありません。むしろA4用紙1枚に仕立てた方が、全社員が見やすく取り組みやすい経営計画書に仕上がります。

経営計画書はA4用紙1枚でOK!10のステップに沿った作成方法

その他の経営戦略は以下の記事で紹介しています。

中小企業でそのまま使える「15の経営戦略メニュー」

おわりに

以上、中小企業で使える3つの商品戦略について解説しました。自社の商品やサービスの何が売れていて、何が広く顧客に受け入れられていないか。よく分かっているつもりでも、あらゆる面から数値化してみることで、分かることがたくさんあります。さらに魅力的な商品やサービスを世に送り出すため、今後何が必要になるのかを社員とともに考えてみませんか。

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.com/blog/

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