理想の人材を育てる「人材育成目標」のつくり方

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「わが社は、どうして人材が育たないのだろう」と、悩んでいませんか。その悩みを解決する鍵は、「人材育成目標」の作成にあります。リモートワークなど多様な働き方が求められる現代で、部下とじかにコミュニケーションをとる機会が少なくなりがちです。でも、理想の人材像が予め明確になっていれば、スタッフたちは目標に向かって邁進していけます。本記事では、理想の人材を育てるための「人材育成目標」のつくり方について解説します。

人材育成の目標設定をしていますか?

あなたの会社では、人材育成の目標設定をしているでしょうか。弊社では、これまで経営コンサルタントとして1,000社以上の会社に携わってきましたが、前もって「人材育成目標」を立てていた会社は、わずか2社だけしかありませんでした。

もしかしたら、「社是」や「社訓」をもって「これが理想の人材像」とスタッフにアピールしているかもしれません。しかし、ここでいう「人材育成目標」とは、もっと具体的なものです。

近い将来、どんなスタッフに成長してもらいたいか、そのためには、どんなことができるようになってもらいたいかを、具体的に盛り込んだものが「人材育成目標」です。適切な目標設定が、会社の業績を向上させます。

経営計画には人材育成目標が欠かせない

会社の経営計画を達成させるためには、人材育成目標が欠かせません。なぜなら、スタッフの成長がなければ、会社の業績が上向くことなどありえないからです。

御社の経営計画には、「目標」「理念」「人材育成目標」の3つがしっかり盛り込まれているでしょうか。「目標」には、「ビジョン」「事業計画」「目標を達成するための戦略」を盛り込みます。事業計画は、さしあたり5カ年とするのが理想です。

「理念」とは追い求めるべき理想の姿を表し、「経営理念」「基本方針」「行動理念」「人事理念」などがそれに当たります。理念をきちんと示せば、社員は自分がどう行動すればよいのか、何を目指せばよいのかをしっかり理解することができます。

そしてスタッフの行動指針をさらに具体的に定めるのが、「人材育成目標」です。経営計画には、以上の3つが示されていなければなりません。まずは、この基本から把握しましょう。

「経営計画」をまだ作っていない場合は、こちらの記事をお読みいただくのをおすすめします。

ビジョン実現型人事評価制度・経営計画書の作り方総まとめ

理想の人材を育てる「人材育成目標」のつくり方

経営計画に盛り込む「人材育成目標」には、3つの項目が必要です。「現状の人材レベル」「10年後の社員人材像」「ギャップを埋めるための課題」の3つです。

まずは、「現状の人材レベル」で、今の人材の強みと弱みを把握します。次にこれを踏まえ、「5カ年事業計画」を達成し、「ビジョン」を実現できる人材のレベルを「10年後10年後の社員人材像」として定めます。そして、そこまで成長するための「課題」を洗い出します。

「現状の人材レベル」で課題をつかむ

最初に「現状の人材レベル」を把握します。今いる社員のレベルを知らなければ、彼らをどこまで育てればよいかもわかりません。

具体的には、社長と幹部、リーダーが中心となって、現在の社員の「強み・長所」「弱み・短所・問題点」を徹底的に洗い出します。

まずは集まったメンバーそれぞれが考えたものを持ち寄って一覧にします。その後、同じ内容のものを整理・統合します。このとき、「実務面」と「意識面」、「強み」と「課題」でマトリックス(二つ以上の要素を掛け合わせた表)を作成して一覧にするとよいでしょう。

この人材レベルを分析すると、どの中小企業でも必ず出てくる「強み」があります。それは、「一生懸命」「まじめ」という点です。ここで考えていただきたいのです。なぜ、一生懸命、まじめに取り組んできた社員ばかりなのに、現在会社は多くの課題を抱え、求めるような人材に成長ができていないのでしょうか?

答えは単純で、これまで会社が成長に結びつくための教育を行ってこなかったからです。教育をしてこなかったから成長していないだけで、役割や具体的な目標を与えれば、「一生懸命」「まじめ」に取り組み、成長してくれる社員ばかりなのですから、ぐんと成長できる仕組みを作ってあげればよいだけということになります。

「10年後の社員人材像」を具体化する

次に「10年後の人材像」を設定します。会社の成長、日標の実現のためにはどんなレベルの社員に成長してもらう必要があるかを明確にします。

「10年後の人材像」は、二つの視点で考えます。10年後の事業計画と「ビジョン」を実現するにはどういう人材に成長してもらう必要があるか、という視点と、先ほど把握した「現状の人材レベル」を解決するにはどんなスキルが必要か、という視点です。

まずは経営計画を参照しながら、どんな能力や技術、知識が必要なのかを書き出してみましょう。次に、単語を近い要素ごとにグループに分けます。そして、グループごとに集まった単語をつなげて文章にします。「これから目指してもらう人材のレベルイメージ」という点を伝えるために、文末は〜「人材」という表現にしてください。

注意したい点は、多くのことを求めるあまり、数を増やしすぎてはいけないということです。リーダーに向けては3〜5項目、全社員に向けては5〜10項目でまとめましょう。

「ギャップを埋めるための課題」で成長のための課題を明確にする

ここまでの「現状の人材レベル」と「10年後の社員人材像」で、人材の現状とゴール(10年後)が明確になりました。次にそのプロセスを決めます。

「現状の人材レベル」と「10年後の社員人材像」の間にはギャップ、差があります。この差を埋めるために何が必要か、どんなスキルを身につけてもらう必要があるかという視点で考えます。

たとえば、売上や利益などの結果をとにかく重視してきた会社では、リーダーシップがあり、うまく部門を統括、マネジメントできるリーダーが育たないという悩みを抱えるケースが少なくありません。その原因は、「チームワーク」や「組織力」「リーダーとして必要な考え方、能力」「組織マネジメントの考え方とその手法」について、社員がこれまで学んでこなかったことと、必要だから勉強しなさいと会社が求めていなかったことが原因です。

こうした組織であれば、リーダーに対して「部門全体の目標を達成するための指導力」や、チーム、部門全体の利益性を高めるための「生産性や効率化の向上」「会社の理念・考え方を浸透させ行動させる力」などが求められるでしょう。「ギャップを埋めるために必要な課題」は、評価基準や社員教育に落とし込んで成長支援を行っていくため、できるだけ具体的にしておきましょう。

おわりに

「人材育成目標」を設定したら、洗い出した「ギャップを埋めるために必要な課題」にリーダーと社員が取り組み、一つひとつの課題を一人ひとりが解決していきます。それによって、理想の社員像に徐々に近づいていくことができるでしょう。

課題が解決できれば「現状の人材レベル」がレベルアップしている可能性があります。特に「課題」については毎年、確認、チェックを行いながら、解決・解消できたものは消し込みをしていってください。

「ギャップを埋めるための課題」も、クリアできた課題に関してはチェックを行い、新たな課題ができたら、これを追加しながら理想の人材を追求していきましょう。「人材育成目標」を設定し、かつ運用していくことで、会社はもっと強くなっていくことでしょう。

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