人事評価制度=給与査定ではない!全社員がビジョンに向かって成長できる人事評価制度・経営計画の作り方まとめ

経営計画と連動した人事評価制度の作り方

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  • 人事評価に力を入れているのに成果が出ない…
  • 自社を成長するための効果的な人事評価の取り組み方を知りたい
  • リーダーを人事評価に積極的に参加させたい

本記事は、こうした人事評価の悩みにお答えする内容となっています。

人事評価といえば、給与査定のことと思っている人は多いのではないでしょうか。もちろん、給与査定も人事評価の大切な役割ですが、人事評価が本来の果たすべき役割のほんの一側面にしかすぎません。

本記事では、全社員が同じビジョンのもとに成長できる「人事評価制度」と「経営計画」の作り方についてまとめました。より自社を成長させたいと考えている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

本文中で紹介している各種シートは記事下のフォームよりダウンロードしていただけますので、ぜひこちらを見ながらご覧ください。

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人事評価制度の中心は「賃金」ではなく「評価」

人事評価制度の目的は、賃金を決めることではありません。もしも評価を賃金に反映させるだけで終えてしまったら、賃金が下がった人のやる気はダウンしてしまいますし、賃金が上がった人のやる気も一時的に高まったとしても、そう長くは続かないでしょう。それほど「お金」だけのつながりは弱いのです。

人事評価制度の本当の目的は、会社のビジョンを実現するために人材を会社の資産として活用することであり、全社員のやる気の源となることです。それが実現できれば、中小企業の成長に必要な効果が得られるでしょう。

人事評価制度はこういう考え方をすることが大事です。

  • 人事評価制度の目的は全社員がビジョンを共有し実現すること
  • 全社員が一丸となってビジョンを達成することで会社が成長する

「ビジョン実現型人事評価制度」なら中小企業の永続的な成長につながる

全社員が一丸となって「幸せというゴールを目指す」といったビジョンに向かえば、各々が納得して仕事に取り組むことができる仕組みの基本が出来上がります。また、理想のリーダーが自然に育ちやすくなり、求める人材を採用できるようにもなります。これが「ビジョン実現型人事評価制度」です。

何より注目すべきは、事務処理や経理などの間接部門のスタッフもやる気を出しやすい会社になるということです。間接部門の仕事を得意とする人は、正確かつスピーディーに与えられた仕事をこなすのが得意という特徴があります。

間接部門は営業などと違って成果が数字に現れにくく、曖昧な人事評価制度の元では「何をがんばればいいのか」「がんばった結果をどう評価されるのか」が不透明になりがちで、不満を抱きやすい状態になります。

そこで、もともと仕事をきっちりやるタイプの間接部門の人材に対し、明確な目標を与え、きちんと評価することでモチベーションが上がれば、より会社は活性化することになるでしょう。

「ビジョン実現型人事評価制度」は男女を含めた全社員、リーダー、そしてこれから入ってくる社員が一丸となって取り組むことが重要です。

経営計画と連動した人事評価制度を作る

では、「ビジョン実現型人事評価制度」は、具体的にどのように作ればよいのでしょうか。全員が会社のビジョンを把握し共有することが重要であることを考えれば、経営計画書と連動させて運用することが大事です。

つまり経営計画書には、会社の確固たるビジョンが反映されていなければなりません。理念、方針を決定し、それを実現するための経営計画書を作成しましょう。

たとえば、全体像が一目で分かるようなA4一枚の「ビジョン実現シート」にすることをおすすめします。ビジョンを明確に意識することにより、社員の成長が促され、ひいては会社の成長にもつながるでしょう。

「ビジョン実現シート」を含む人事評価制度に役立つテンプレートは、こちらからダウンロードしていただけます。
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経営計画書の「戦略」を実現するために評価制度を活用する

人事評価制度の活用方法

「経営計画書の何をもって人事評価制度に反映させればよいか分からない」という人もいるでしょう。これは、経営計画に戦略が盛り込まれていないからです。目標達成のための具体的な戦略があれば、社員はそれに沿って動けます。評価のポイントもそこにあらわれます。

  1. 戦略
  2. 評価制度
  3. 社員が継続的に実行
  4. 戦略実現
  5. 目標達成
  6. 理念の実現

これが会社の理念・目標を継続的に達成するためのプロセスです。経営計画書には必ず経営戦略を盛り込み、人事評価制度へ落とし込めるようにしましょう。

人事評価制度の成功例

社員す43名の株式会社A社では、人事評価制度改革を実施したことで期待されていなかった社員が一番に昇格し、他の社員の意欲アップにつながる成功を体験しました。

A社に事務担当者として勤めていたYさんは、仕事は確実にこなすものの、スキルアップの意欲が感じられない、というのが人事評価制度改革を行なう前の会社の評価でした。

ところが、人事評価制度改革の取り組みとして毎月コツコツ面談を行って課題に取り組んでいく中で、徐々にYさんが積極的に行動するようになったそうです。最初の評価は「D」でしたが、「D」から「B」、さらに「A」と急速にステップアップし、ついには昇格するほど高い評価を受けるようになりました。

Yさんが成長することで会社への貢献度が高まったことはもちろん、他の社員がYさんを見て奮起し、会社全体の士気が上がったのです。どちらかと言うと目立たず会社の主力にはなりそうにない人材だったYさんが急激に成長した様子を見て、他の部門の社員が「自分たちにもできる」と奮起。

これは人事評価制度の理想的な成功例のひとつで、面談によって社員に課題を自覚させ、社員が自ら成長するようになりました。一人の社員の成長が他の社員にもいい影響を与えたのもこの成功例の素晴らしいところです。

人事評価制度の失敗例

人事評価制度でよくある失敗例が、評価者(リーダー)が不満を抱くケースです。リーダーが忙しい業務に加えて人事評価までしなければならない状況に不満を抱くと、人事評価は失敗します。

なぜなら、リーダーが人事評価を直接的に行なうポジションだからです。リーダーが人事評価制度の趣旨を理解していないと、「業務を増やされた」という不満の種になってしまい、正しく運用できなくなります。

リーダーが人事評価は給与や賞与を決めるためとしか捉えていないと、こうした失敗が起きやすいです。リーダーがそのような姿勢で取り組んでも、評価される部下に人事評価の趣旨が伝わるはずもありません。

人事評価制度を成功させるには、まずリーダーに評価制度の目的を理解してもらう必要があります。リーダーには、人事評価は会社のビジョンを実現するための取り組みであることをしっかり理解してもらいましょう。

リーダーの積極的参加と理解が成果につながるポイント

「ビジョン実現型人事評価制度」の成果を導くポイントは、3つあります。

  1. 社長の本気度
  2. 理念やビジョンの浸透度
  3. リーダーの積極参加と理解度

とくに、リーダーは直接部下の評価を下す大事なキーパーソンです。リーダーに評価をさせることで各リーダーの次のような点が明確になります。

・どのくらい部下の仕事ぶりを把握しているか
・どんな評価の視点、判断基準を持っているか
・目標や課題を適正に与える力
・面談力、コミュニケーション力、指導力

さらに、部下のほうから上がってくる評価によって、リーダーの成長課題や目標への到達度が明らかになります。では、「部下のほうから評価する」とはどういうことでしょうか。それは、評価結果について、どのように感じたかフィードバックを行うということです。

リーダーの積極性が欠ける原因は不満

もしリーダーの積極性に欠けるようであれば、それは人事評価の取り組みに不満を感じているからでしょう。「ただでさえ忙しいのに人事評価までやってられない」「給料も上がらないのに人事評価を真面目にやるのはバカらしい」と考えているかもしれません。

そうした真面目に取り組まないリーダーの評価を下げることは簡単です。しかし、リーダーに積極性に取り組んでもらわないことには、人事評価はうまく機能しません。

リーダーが人事評価を単なる給与査定のための業務と捉えているのであれば、「ビジョンの実現」という本来の目的をしっかり伝えるようにしましょう。人事評価制度を実施する趣旨をきちんと伝えれば、きっとわかってくれるはずです。

それでもそのリーダーの態度が変わらないようであれば、残念ながら自社に合っていない人材と判断し、他の者に任せた方が会社にためになるでしょう。積極的に成長しようとする社員だけが残っていくのも、この「ビジョン実現型人事評価制度」の本質です。

ビジョンに合う社員が残っていくという考え方については、記事の最後に記載してある「補足」でも解説していますので、そこまでぜひお読みいただければと思います。

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評価結果を「評価」させればベクトルが揃う

人事評価制度を運用していくなかで、大事になるのが社員の納得度です。各社員が自身の評価結果に納得できなければ、「前向きに取り組もう」という意識にはなれません。そのため、「ビジョン実現型人事評価制度」では、必ず社員の納得度アンケートを定期的に行います。すると、以下のことがわかります。

・全社員の自身の評価に対する納得度
・次に向けた成長目標と課題が明確化される

評価後に全社員が明確になった成長目標に向けて取り組み始め、上司は達成のための支援を行います。また、この納得度で、リーダーに対する信頼度も明らかになるため、リーダーもまた新たに取り組むべき課題が見えてきます。このように評価制度はブラッシュアップしていくことで、社員のやる気のベクトルが揃い、目標へ向かってより一丸となることができるのです。

まとめ

全社員がイキイキと働くためには、人事評価制度を「給与査定」だけのものではなく、正しく「評価」するためのものにしなければなりません。そのためには、経営計画との連動が必要です。「ビジョン実現シート」によってビジョンがハッキリ描かれた経営計画さえあれば、評価制度は自ずからできてきます。

人事評価制度は、常にブラッシュアップを図りながらリーダーを中心に運営していきましょう。人事評価制度の運用に役立つ評価シート、育成面談シートはこちらを参考にしてください。

補足:人事評価制度改革はまず100%不満が出るもの

ビジョン実現型人事評価制度を導入すると、それまで不相応に高い給与を得ていた従業員の給与が下がることもあります。とくに、それまで明確な評価基準を持たず、社長の胸先三寸で決まっていたような会社の場合はほぼ間違いなくそうした事態が発生すると思って間違いありません。

もちろん、突然給与を下げてはその従業員の生活プランに支障を来すでしょうから、新しい給与査定のルールを事前に示した上で、導入までの猶予期間を持つといったソフトランディングの施策は必要です。

しかし、人事評価制度改革に手を付ければ、まず100%不満が出るものだと覚悟をしてください。従業員たちの不安や不満、あるいは退職を乗り越えて、最後までやり遂げる覚悟を持たなければ人事評価制度改革は失敗します。

実際、中小企業で人事評価制度改革に失敗する理由で最も多いのは、おそらく従業員の反発に屈してしまうためだと思います。

一時的なモチベーションの低下や、退職者の発生を恐れる気持ちはわかりますが、果たしてそれが悪いことなのか冷静に考えてみてください。人事評価制度改革によって会社を去る人材は、つまり会社の経営理念(ビジョン)や方針に合わなかっただけなのです。チームとして成長していくために、それらの人材が去ることが本当にマイナスでしょうか?

そうした従業員たちが去り、経営理念や方針に心から共感しているメンバーだけで会社が構成されるようになったとき、どれだけの成果が出せるのか、どんな働き方をしているのかぜひ想像してみてください。

人事評価制度改革を完遂させるためには、企画以上に細やかで継続的な運用が欠かせません。ゼロベースから人事評価制度を策定し直し、導入していくための手法を学びたい方には、日本人事経営研究室代表 山元浩二の著書「図解 3ステップでできる 小さな会社の人を育てる「人事評価制度」のつくり方 CD-ROM付」がおすすめです。

長年の経験を元に、人事評価制度改革を成功させるための、具体的かつ実際的な内容となっています。

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