人事評価制度の作り方を一から解説(成功事例を4社紹介)- 人材を育成するための仕組み作り

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  • 自社を成長させる人事評価制度の作り方を知りたい
  • 人事評価に力を入れているのに成果が出ない…
  • リーダーを人事評価に積極的に参加させたい

本記事では、こうした人事評価制度の悩みにお答えします。

人事評価制度とは、「人材を育成するための仕組み」です。人事評価制度は給与査定のためだけでなく、「経営計画の達成」にも欠かせません。給与を決めるだけの運用では、人事評価制度の本来の効果を発揮できないでしょう。

本記事では、全社員が同じビジョンのもとに成長できる「人事評価制度」と「経営計画」の作り方についてまとめました。より自社を成長させたいと考えている経営者の方は、ぜひ参考にしてください。

本文中で紹介している各種テンプレートシートは記事上のフォームよりダウンロードしていただけますので、ぜひこちらを見ながらご覧ください。

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人事評価制度とは?

人事評価制度とは、人材を育成するための仕組みを指す言葉です。「経営計画」を達成するために欠かせない仕組みでもあり、人材育成を通じた 「経営計画の達成」を目指します。

そして、最終的なゴールは全社員が豊かになり、幸せを実感できることです。この目的を達成するために、適切に人事評価の仕組みを作ることは、組織のトップに課された使命と言えます。人事評価制度を単なる評価するための決まりとして運用するのではなく、社員の幸福を実現するための仕組みとして活用しましょう。

もうひとつ大事なことがあります。それは、人事評価制度は運用してこそ意味があるということ。人事評価制度を作っただけでは、最終的なゴールにたどり着けません。設計と同時に、運用できる仕組みを作ることが重要です。人事評価制度単体で運用するのではなく、経営計画と連動することでより効果が高まります。

人事評価制度の中心は「賃金」ではなく「評価」

人事評価制度の目的は、賃金を決めることではありません。もしも評価を賃金に反映させるだけで終えてしまったら、賃金が下がった人のやる気はダウンしてしまいますし、賃金が上がった人のやる気も一時的に高まったとしても、そう長くは続かないでしょう。それほど「お金」だけのつながりは弱いのです。

人事評価制度の本当の目的は、会社のビジョンを実現するために人材を会社の資産として活用することであり、全社員のやる気の源となることです。それが実現できれば、中小企業の成長に必要な効果が得られるでしょう。

人事評価制度はこういう考え方をすることが大事です。

  • 人事評価制度の目的は全社員がビジョンを共有し実現すること
  • 全社員が一丸となってビジョンを達成することで会社が成長する

「ビジョン実現型人事評価制度」なら中小企業の永続的な成長につながる

全社員が一丸となって「幸せというゴールを目指す」といったビジョンに向かえば、各々が納得して仕事に取り組むことができる仕組みの基本が出来上がります。また、理想のリーダーが自然に育ちやすくなり、求める人材を採用できるようにもなります。これが「ビジョン実現型人事評価制度」です。

何より注目すべきは、事務処理や経理などの間接部門のスタッフもやる気を出しやすい会社になるということです。間接部門の仕事を得意とする人は、正確かつスピーディーに与えられた仕事をこなすのが得意という特徴があります。

間接部門は営業などと違って成果が数字に現れにくく、曖昧な人事評価制度の元では「何をがんばればいいのか」「がんばった結果をどう評価されるのか」が不透明になりがちで、不満を抱きやすい状態になります。

そこで、もともと仕事をきっちりやるタイプの間接部門の人材に対し、明確な目標を与え、きちんと評価することでモチベーションが上がれば、より会社は活性化することになるでしょう。

「ビジョン実現型人事評価制度」は男女を含めた全社員、リーダー、そしてこれから入ってくる社員が一丸となって取り組むことが重要です。

「ビジョン実現型人事評価制度」で全社員が目的を共有した組織に

「ビジョン実現型人事評価制度」に取り組めば、理想の組織ができあがります。「組織」とは、「目的・目標を目指す協働体」です。メンバー全員が会社の目的地である経営理念や、目標として掲げたビジョンに向かい、協力しながら仕事をしていく集合体ということです。

ところが、一般的にこうした状態を保てる会社はごくわずか。その原因は、組織のメンバー全員のベクトルを合わせる仕組みがないためです。個々の社員がまじめに、真剣に仕事へ取り組んでいるとしても、各メンバーがそれぞればらばらの方向を向いて仕事をしていれば、目的・目標に向かう力は弱くなってしまいます。

各社員のベクトルを修正し、みんなの力を集約できる仕組みがあれば、強い組織ができあがります。この仕組みそのものが、「ビジョン実現型人事評価制度」なのです。ただし、人事評価制度は作るだけでは効果が出ないので、運用できる仕組みを作りましょう。

これまでの賃金を評価に反映するだけの人事評価制度では、評価が上がった人はやる気が上がりますが、下がった人はやる気が下がってしまいます。これではやる気の上がり下がりが安定せず、結局設定したゴールにたどり着けずに組織全体が疲弊してしまいかねません。

これまでの人事評価制度

「ビジョン実現型人事評価制度」では、「社員全員の豊かさ」をゴールとします。人材を育成する仕組みを作ることで組織全体が成長し、社員全員が豊かになることで持続的で効果的な人事評価制度の運用が可能になります。


ビジョン実現型人事評価制度

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経営計画と連動した人事評価制度の作り方

では、「ビジョン実現型人事評価制度」は、具体的にどのように作ればよいのでしょうか。全員が会社のビジョンを把握し共有することが重要であることを考えれば、経営計画書と連動させて運用することが大事です。

つまり経営計画書には、会社の確固たるビジョンが反映されていなければなりません。理念、方針を決定し、それを実現するための経営計画書を作成しましょう。

たとえば、全体像が一目で分かるようなA4一枚の「ビジョン実現シート」にすることをおすすめします。ビジョンを明確に意識することにより、社員の成長が促され、ひいては会社の成長にもつながるでしょう。

94.3%の納得度で社員が動く仕組み

経営計画と人事評価制度で社員を成長させる場合、「運用」が非常に重要です。人事評価制度は、評価結果に基づいた課題や目標に取り組むことで各個人が成長します。 しかし、各社員が評価結果に納得できなければ、「前向きに取り組もう」という意識は生まれないでしょう。

そのため、「ビジョン実現型人事評価制度」では、必ず社員の納得度アンケートを定期的に行います。 当社のクライアントで、「評価結果に納得した」と答えた人は94.3%、「評価結果に不満」と答えた人は4.7%でした(全クライアント平均データ、2019年12月末現在) 。

一方、メディアなどで公開されているアンケートデータでは、人事評価に対する不満は50%〜80%で、一般的には、半数を超える社員が評価に不満をもっていると考えられます。当社の4.7%という数字は、経営計画と人事評価制度を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度」の効果の高さを実証したものといえるでしょう。

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経営計画書の「戦略」を実現するために評価制度を活用する

人事評価制度の活用方法

「経営計画書の何をもって人事評価制度に反映させればよいか分からない」という人もいるでしょう。これは、経営計画に戦略が盛り込まれていないからです。目標達成のための具体的な戦略があれば、社員はそれに沿って動けます。評価のポイントもそこにあらわれます。

  1. 戦略
  2. 評価制度
  3. 社員が継続的に実行
  4. 戦略実現
  5. 目標達成
  6. 理念の実現

これが会社の理念・目標を継続的に達成するためのプロセスです。経営計画書には必ず経営戦略を盛り込み、人事評価制度へ落とし込めるようにしましょう。

人事評価制度の成功例

社員43名の株式会社A社では、人事評価制度改革を実施したことで期待されていなかった社員が一番に昇格し、他の社員の意欲アップにつながる成功を体験しました。

A社に事務担当者として勤めていたYさんは、仕事は確実にこなすものの、スキルアップの意欲が感じられない、というのが人事評価制度改革を行なう前の会社の評価でした。

ところが、人事評価制度改革の取り組みとして毎月コツコツ面談を行って課題に取り組んでいく中で、徐々にYさんが積極的に行動するようになったそうです。最初の評価は「D」でしたが、「D」から「B」、さらに「A」と急速にステップアップし、ついには昇格するほど高い評価を受けるようになりました

Yさんが成長することで会社への貢献度が高まったことはもちろん、他の社員がYさんを見て奮起し、会社全体の士気が上がったのです。どちらかと言うと目立たず会社の主力にはなりそうにない人材だったYさんが急激に成長した様子を見て、他の部門の社員が「自分たちにもできる」と奮起。

これは人事評価制度の理想的な成功例のひとつで、面談によって社員に課題を自覚させ、社員が自ら成長するようになりました。一人の社員の成長が他の社員にもいい影響を与えたのもこの成功例の素晴らしいところです。

人事評価制度の失敗例

人事評価制度でよくある失敗例が、評価者(リーダー)が不満を抱くケースです。リーダーが忙しい業務に加えて人事評価までしなければならない状況に不満を抱くと、人事評価は失敗します。

なぜなら、リーダーが人事評価を直接的に行なうポジションだからです。リーダーが人事評価制度の趣旨を理解していないと、「業務を増やされた」という不満の種になってしまい、正しく運用できなくなります。

リーダーが人事評価は給与や賞与を決めるためとしか捉えていないと、こうした失敗が起きやすいです。リーダーがそのような姿勢で取り組んでも、評価される部下に人事評価の趣旨が伝わるはずもありません。

人事評価制度を成功させるには、まずリーダーに評価制度の目的を理解してもらう必要があります。リーダーには、人事評価は会社のビジョンを実現するための取り組みであることをしっかり理解してもらいましょう。

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リーダーの積極的参加と理解が成果につながるポイント

「ビジョン実現型人事評価制度」の成果を導くポイントは、3つあります。

  1. 社長の本気度
  2. 理念やビジョンの浸透度
  3. リーダーの積極参加と理解度

とくに、リーダーは直接部下の評価を下す大事なキーパーソンです。リーダーに評価をさせることで各リーダーの次のような点が明確になります。

・どのくらい部下の仕事ぶりを把握しているか
・どんな評価の視点、判断基準を持っているか
・目標や課題を適正に与える力
・面談力、コミュニケーション力、指導力

さらに、部下のほうから上がってくる評価によって、リーダーの成長課題や目標への到達度が明らかになります。では、「部下のほうから評価する」とはどういうことでしょうか。それは、評価結果について、どのように感じたかフィードバックを行うということです。

リーダーの積極性が欠ける原因は不満

もしリーダーの積極性に欠けるようであれば、それは人事評価の取り組みに不満を感じているからでしょう。「ただでさえ忙しいのに人事評価までやってられない」「給料も上がらないのに人事評価を真面目にやるのはバカらしい」と考えているかもしれません。

そうした真面目に取り組まないリーダーの評価を下げることは簡単です。しかし、リーダーに積極性に取り組んでもらわないことには、人事評価はうまく機能しません。

リーダーが人事評価を単なる給与査定のための業務と捉えているのであれば、「ビジョンの実現」という本来の目的をしっかり伝えるようにしましょう。人事評価制度を実施する趣旨をきちんと伝えれば、きっとわかってくれるはずです。

それでもそのリーダーの態度が変わらないようであれば、残念ながら自社に合っていない人材と判断し、他の者に任せた方が会社にためになるでしょう。積極的に成長しようとする社員だけが残っていくのも、この「ビジョン実現型人事評価制度」の本質です。

ビジョンに合う社員が残っていくという考え方については、記事の最後に記載してある「補足」でも解説していますので、そこまでぜひお読みいただければと思います。

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評価結果を「評価」させればベクトルが揃う

人事評価制度を運用していくなかで、大事になるのが「社員の納得度」です。前述したように、「ビジョン実現型人事評価制度」では、必ず社員の納得度アンケートを定期的に行います。すると、2つのことがわかります。「社員の評価に対する納得度」と、「成長目標や課題」です。それぞれ解説しましょう。

全社員の自身の評価に対する納得度がわかる

納得度アンケートを行えば、全社員の、自信の評価に対する納得度を把握することができます。「不服があれば、評価面談のときに言えばいい」と思うかもしれません。しかし、上司に面と向かって堂々と不満を述べられる部下は、数えるほどしかいないでしょう。双方が感情的になってしまうかもしれません。

そこで効力を発揮するのが、書面で納得度を伝えることができるアンケートなのです。アンケートのタイミングは評価を受けてから少し時間が立っているため、自分が感じていることを冷静に記入することができます。また、書面であれば感情的にならず、論点を整理して意見を書くことが可能です。

次に向けた成長目標と課題が明確化される

評価後に全社員が明確になった成長目標に向けて取り組み始め、上司は達成のための支援を行います。また、この納得度で、リーダーに対する信頼度も明らかになるため、リーダーもまた新たに取り組むべき課題が見えてきます。

このように、評価の「評価」によってブラッシュアップを継続していくのが、「ビジョン実現型人事評価制度」の強みの一つです。これによって社員のやる気のベクトルが揃い、目標へ向かってより一丸となることができます。

「行動理念」で社員のベクトルを合わせる

「ビジョン実現型人事評価制度」には、他にも社員のベクトルを揃えるための工夫があります。「行動理念」とは、経営理念の実現に向けて基本方針を実践するために、社員に求める考え方や行動を明確にしたものです。社員たちのバラバラな仕事に対する考え方、関わり方を、「行動理念」によって揃えて一つにしていきます。

「行動理念」は、仕事上のあらゆる場面で「判断の依りどころ」となるものにしなければなりません。そのため、基本方針を達成するために「~するにはどう行動すべきか」という視点で考え、わかりやすい表現、言葉選びを意識するのが大事です。「経営理念」や「基本方針」は会社を主語として考えますが、「行動理念」は、社員を主語とします。

行動理念については、以下の記事に詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

行動理念とは何か?企業における役割と意味、その作り方を一から解説

人事評価制度の成功事例

ここで、私のクライアントの事例から、「ビジョン実現型人事評価制度」の導入や運用についてご紹介します。業種はさまざまですが、人事評価制度への取り組みが、企業を成長させる大きな力となっていることがみてとれます。

株式会社2りんかんイエローハット様

オートバイ用品の専用チェーンを全国展開している2りんかんイエローハット様(以下2りんかん様)は、社員数350人以上の大所帯です。「ビジョン実現型人事評価制度」への取り組みは、5年となります(取材当時)。

代表の石渡社長が前任者の仕事を引き継いだのは、2009年のこと。当時の評価制度は成果主義に重きを置き、査定は1年に1度だけでした。「課題はハッキリ見えているのに、評価はその課題とリンクしていない」と感じた石渡社長は、山元の著書『小さな会社は人事制度で人を育てなさい!』を読み、「私の求めていた人事評価制度が、ここに書かれている」と実感したそうです。

とくに共感した仕組みは、「会社と社員の5年後の姿を明確にし、やるべきことを具体化し、社員の成長や成果を一目で見渡せる制度を作る」というものでした。早速、中期経営計画を刷新し、評価制度の再構築に取りかかった石渡社長は、2013年2月に「人財成長プロジェクト」をスタート。「お店の存在意義は、オートバイに乗る人の駆け込み寺になることである」と定義しました。

さらに「業界貢献度ナンバーワン」「社員が幸せを実感できる会社」という目標を掲げ、経営計画書へと落とし込んで幹部や店長らと中期経営計画・人事評価制度の方向性を共有。2回のトライアル評価を経て、2014年10月には新制度の評価実施を開始しました。2016年には、新賃金制度も確立させ、運用しています。

制度運用に当たってとくに意識しているのは、350人の大所帯に人事評価制度の真の目的を浸透させることです。そのためには各店舗の店長がしっかり制度目的を理解し、高い意識を持つことが重要です。また、全スタッフへの目的浸透のため、半年に1度の評価だけでなく、毎月面談を行っています。

店長教育と面談の実施によって顕著になったのが、リーダーシップを発揮できる存在の出現です。現在では管理部と店長の選抜メンバーで評価制度の改善・浸透プロジェクトを自主的に立ち上げ、定期的にミーティングを行うなどして、現状の仕組みをブラッシュアップしています。

株式会社2りんかんイエローハット様のインタビュー全文はこちらからお読みいただけます。
株式会社2りんかんイエローハット様のインタビュー詳細

株式会社中央歯科補綴研究所様

中央歯科補綴研究所様は歯科医師と連携し、入れ歯や差し歯の制作・修理を行う歯科技工所を展開されています。技術者が大半を占める会社で、リーダーを育てる人事評価制度を開発・運用するのは大変なものです。しかし中央歯科補綴研究所様では、2012年の「ビジョン実現型人事評価制度」制度導入以来、5年で売上2倍、離職率の大幅改善、リーダー育成、新卒採用といった多くの目標をクリアしています。

中央歯科補綴研究所様は2005年から経営理念を軸とした組織経営を目指す取り組みを始めていましたが、なかなか社員のベクトルが揃わず離職率の増加や人手不足に悩んでいました。あるとき、山元の著書『小さな会社は人事評価制度で人を育てなさい!』を手に取り、経営計画書と一体となった人事評価制度の実施によって人材育成が叶い、人材育成を通して経営目標が達成できる仕組みに共感。面談後、即コンサルティングの契約を結びます。

激務のなか、社内に一時的な混乱を伴うであろう抜本的な改革を行うことに不安はありました。しかし「何か起きても、全て好転反応」と覚悟し、「日本一社員満足度の高い歯科技工所を作る」というビジョンのもと、2013年1月に全社員にむけて評価制度の導入を説明会する「キックオフ発表会」を開催。その後、幹部社員と評価制度の仕組み作りをすすめ、全スタッフに「評価制度説明会」を行うなど、全社員を巻き込む大きなイベントとなりました。

プロジェクト推進の中で、2016年5月には最新の設備環境を整えた新社屋に移転することも叶い、これが働きやすい環境の実現につながっています。そして、リーダーたちの働き方が明らかに変わってきました。キラキラ輝き、驚くほど大きく成長したのです。さらに、彼らの次を担う社員が、どんどん育ってきています。

株式会社中央歯科補綴研究所様のインタビュー全文はこちらでお読みいただけます。
株式会社中央歯科補綴研究所様のインタビュー詳細

株式会社山六木材様

新潟県中越地域で住宅・リフォーム・不動産を中心に事業展開しているのが、山六木材様です。社員が7~8人ほどの頃までは、面白いくらいスムーズに展開が叶い、社員のベクトルも揃っていたとのこと。しかし会社が成長し、社員が10人以上になったあたりから「会社の方向性が分からない」という社員が増え、離職率も高くなっていました。

ついに2015年4月、15名いた社員のうち5人が退社する事態となり、小林社長はマネジメントの設計図を持とうと、人事評価システムの導入を始めました。さまざまな経営サポートを経て、「評価制度の設計だけでなく長期的にサポートしてくれる山元さんのところがよい」と、「ビジョン実現型人事評価制度」の導入に踏み出したそうです。

同年6月から制度設計を開始。小林代表はマネジメントが苦手ということでしたが、一つ一つ階段を上るように評価制度の仕組み作りをサポートし、ついに本格的な運用をスタートしました。やるべきことはたくさんありますが、マネジメントが見える化できており、行く先が明確になっているので不安はないそうです。会社の体質が劇的に改善されてきた効果も実感されています。5人の社員が辞めてから6人を採用しましたが、辞めた社員は1人だけ。しかも円満退社です。

トライアル評価を進める中で、顕著になったことがあります。それは、リーダー育成について。4名の評価者のうち、「評価の記入→育成会議→育成面談→チャレンジシートの更新・チェック」のプロセスをきちんと実践できていたのは、1名の女性評価者のみでした。この評価者の部署は、PDCAサイクルを上手に回すことで、ほかの部署より効率的に部下を育成しています。ほかの評価者も同じように実践できるよう、この女性評価者をマネージャーとし、仕組みの推進役を任せています。

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株式会社アクト様

アクト様は、電動工具の国内在庫量、最大級のリサイクルショップを複数店舗展開している、埼玉県の企業です。2011年、「ビジョン実現型人事評価制度」を導入し始めた頃は埼玉県に4店舗を構えていましたが、2013年には5店舗目として、東京都への出店を実現しています。

2代目となる伊藤現社長は、マネージャーを務めていた2011年当時、スタッフのレベルアップが実現しない原因を探ったところ、「スタッフが仕事にやりがいを感じていない」という課題を突き止めました。しかし、原因がわかっても、有効な手立てが見つからず、ただただ焦りがつのるばかり…

伊藤社長は書籍やセミナーなどで情報収集を行い、自分なりに経営理念やビジョンの作成や社内発表会を行うもスタッフに浸透せず、思うように実践できずにいました。そんな中で出会ったのが、山元の著書「小さな会社は人事評価制度で人を育てなさい!」でした。「ビジョン実現型人事評価制度」を知り、私とコンサルティングの契約をしたうえで、経営計画書を改めて練り直すことから始めました。5カ年計画や戦略を具体的に示し、評価基準も明確にした上で、会社の理念や方針につながる行動基準を作り上げていきます

2012年に評価制度の発表会を開いたときには、店長からの反発が大きく、「ただでさえ忙しいのに、これ以上業務を押しつけるのか」といった声が聞かれました。しかし、伊藤社長は社員全員の面談に同席し、一人ひとりに「この改革はみんなの幸せの実現のため」「これからのアクトにとって、なくてはならないもの」であると丁寧に説明したといいます。

伊藤社長の熱意はしっかり伝わり、店長やスタッフも、回を重ねるごとに前向きに取り組むようになってきました。伊藤社長は「コミュニケーションの改善こそが、業績回復の一番の要因」と語ります。丁寧な面談により意思疎通が図れたことが、スタッフのモチベーション向上につながったのです。

スタッフのやる気が向上してから、アクト様の業績はみるみる上向き始めました。売上は、毎年120%前後の成長を実現。店舗展開と資金繰りにも余裕が生まれ、運用初年度の決算から2000万円近くの手元余裕資金が確保できるようになりました。税金を支払ったらわずかな現金しか残らなかった状態から、経営が大幅に改善されたとのことです。

株式会社アクト様のインタビュー全文はこちらでお読みいただけます。
株式会社アクト様のインタビュー詳細

まとめ

全社員がイキイキと働くためには、人事評価制度を「給与査定」だけのものではなく、正しく「評価」するためのものにしなければなりません。そのためには、経営計画との連動が必要です。「ビジョン実現シート」によってビジョンがハッキリ描かれた経営計画さえあれば、評価制度は自ずからできてきます。

人事評価制度は、常にブラッシュアップを図りながらリーダーを中心に運営していきましょう。人事評価制度の運用に役立つ評価シート、育成面談シートはこちらを参考にしてください。

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補足:人事評価制度改革はまず100%不満が出るもの

ビジョン実現型人事評価制度を導入すると、それまで不相応に高い給与を得ていた従業員の給与が下がることもあります。とくに、それまで明確な評価基準を持たず、社長の胸先三寸で決まっていたような会社の場合はほぼ間違いなくそうした事態が発生すると思って間違いありません。

もちろん、突然給与を下げてはその従業員の生活プランに支障を来すでしょうから、新しい給与査定のルールを事前に示した上で、導入までの猶予期間を持つといったソフトランディングの施策は必要です。

しかし、人事評価制度改革に手を付ければ、まず100%不満が出るものだと覚悟をしてください。従業員たちの不安や不満、あるいは退職を乗り越えて、最後までやり遂げる覚悟を持たなければ人事評価制度改革は失敗します。

実際、中小企業で人事評価制度改革に失敗する理由で最も多いのは、おそらく従業員の反発に屈してしまうためだと思います。

一時的なモチベーションの低下や、退職者の発生を恐れる気持ちはわかりますが、果たしてそれが悪いことなのか冷静に考えてみてください。人事評価制度改革によって会社を去る人材は、つまり会社の経営理念(ビジョン)や方針に合わなかっただけなのです。チームとして成長していくために、それらの人材が去ることが本当にマイナスでしょうか?

そうした従業員たちが去り、経営理念や方針に心から共感しているメンバーだけで会社が構成されるようになったとき、どれだけの成果が出せるのか、どんな働き方をしているのかぜひ想像してみてください。

人事評価制度改革を完遂させるためには、企画以上に細やかで継続的な運用が欠かせません。ゼロベースから人事評価制度を策定し直し、導入していくための手法を学びたい方には、日本人事経営研究室代表 山元浩二の著書「改訂新版 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」がおすすめです。長年の経験を元に、人事評価制度改革を成功させるための、具体的かつ実際的な内容となっています。

書籍・改訂新版 小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方

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この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.com/blog/

日本人事経営研究室は仕事創造型人材を育て、成長し続ける強い企業づくりをサポートします

私たち日本人事経営研究室は、"人間成長支援"をミッションとし、
中小企業の持続的成長をサポートしています。
「人材」ではなく「人間」としているのには、こだわりがあります。
それは、会社の中で仕事ができる「人材」ではなく、仕事を通じて地域や環境、社会に貢献できる「人間」を育てる事を目指しているからです。
日本人事経営研究室では、そのために必要な「人」に関するサービスや情報を提供しています。

日本人事経営研究室 代表取締役 山元浩二氏

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