人材流出を防ぐには「人事評価制度」が必要、賃金制度だけでは不満を解決できない

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  • わが社は決してブラック企業ではないと思う、でも人材流出が止まらない…」
  • 賃金を上げても社員のやる気が上がらない…

そんな悩みを持つ経営者は、人事評価制度を見直してみましょう。もしかして、「賃金制度」はあっても、「人事評価制度」は整っていないということはありませんか。それでは社員の不満を解決できません。重要なのは、賃金の金額よりも、評価結果の内容なのです。

本記事では、人材流出が起こる原因と、流出を防ぐための人事評価制度を解説します。

人材流出の大きな原因は評価への不満…

人材流出の大きな原因は、評価への不満です。「正当に評価されている気がしない」「納得できない」などといった社員の心の叫びを解決するには、「要するに、賃金を上げればいいのだろう?」「賃金制度をきちんと設計すればいいのだろう?」と考えている経営者は、多いと思われます。

しかし、「賃金制度」で社員のモチベーションを上げたい、不満を解消したいと考えても、「賃金制度」改革で課題を解決することはできません。それどころか、「賃金制度」の目的や役割を間違えて改革に取り組んだために、逆に賃金への不満が増大し、社員のモチベーションが下がり、優秀な人が辞めて、導入を断念してしまう中小企業は後を絶たないのが現実です。

賃金制度だけでは不満を解決できない…

なぜ、賃金制度だけでは不満を解決できないのか。それは、「賃金に対する不満」を解決するには、「賃金制度」ではなく、「評価制度」が必要だからです。

賃金制度のルールに基づいて賃金に差をつけたとしたら、「同期のあの人と、賞与額が違うのはなぜだろう?」と、疑問が生まれます。果たして賃金制度は、その問いに納得度の高い答えを用意できるでしょうか。

答えはNOです。賃金制度だけが決まっている状態だと、「なぜだろう?」という疑問に「そういうルールになっているから」としか答えられません。でも、社員が求めているのは、「なぜ差がついたのか、あの人より自分のほうが劣っているところはどこなのか?」、その根拠です。

納得度の高い答えを用意するには、しっかりとした評価制度設計がなされていなければなりません。社員は、単なる金額差の根拠ではなく、金額で差をつけるに至った評価の根拠を聞きたいと思っているからです。納得ができなければ、社員は会社への不信感を募らせ、いずれ辞めてしまうでしょう。

  • 不満の解消には「評価制度」が必要

人材流出を防ぐには人事評価制度が必要

先のケースで重要なのは、金額よりも評価結果のほうです。社員に「会社の評価はまっとうだ」と信頼をもってもらい、人材流出を防ぐためには、人事評価制度が必要なのです。

ただ、きちんとした人事評価制度を作ったとしても、もう一つ気をつけなければならないことがあります。それは、「評価者の成熟度」です。評価を行うべきリーダーに、適正に評価を行えるスキルが身についてなければ、社員の不満が爆発する恐れがあります。

「自分の仕事を見てくれていない」「甘い上司の部署にいる人はみんな評価が高い」「あの上司に評価されたくない」。こういった不満から人材流出が起こってしまう前に、評価者をきちんと育成しなければなりません。

トライアル評価を実施する

「評価に対する不満」という課題を解決するために、「トライアル評価」の実施をおすすめします。「トライアル評価」は、人事制度の本番運用のための練習評価です。

「トライアル評価」では人事制度のダメ出し、評価への不満を洗い出していきます。これは、評価者(リーダー)が部下を納得させられる評価を行えるようにするための取り組みです。評価者を育成し、適切な評価を行うことで制度への不満は解消されるでしょう。

この「トライアル評価」は、最低でも3回は実施してください。1回だけで満足せず、3回以上の実施を通して課題や不満点を洗い出していくのです。不満点の洗い出しは、次に紹介する「納得度アンケート」で行っていきます。

納得度アンケートで人事評価の不満を洗い出す

評価制度を運用している最中に生まれる不満には、納得度アンケートで対処するのがおすすめです。アンケートによって、社員の制度納得度を計測すると、不満をきちんと吸収し、制度を見直していくことができます。

私のクライアントの実例では、納得度アンケートを始めた当初は納得度が50%近くからのスタートであっても、継続し、そのつど対策を行うことで94%の高い数値を得ることができました。

納得度アンケートのつくり方は、以下の記事で詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。

あなたの組織は大丈夫?社内の問題点を可視化する「納得度アンケート」

おわりに

人材流出を食い止めるには、賃金制度だけではなく、人事評価制度を丸ごと見直すことが重要です。さらに、評価を下すリーダーが、評価者として成熟することも不可欠です。こうして社員の納得度を高め、組織への信頼を失わずに済むよう注意しましょう。

たとえ100円の違いであっても、賃金差は、社員にとっては評価の差です。正当な理由による賃金差でなければ、社員の心は離れてしまいます。経営者側から見れば「些細なこと」であっても、働く社員の側から見れば「とても重要なこと」。評価される側の立場を理解して、制度設計に取り組みましょう。

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