固定給に含まれる給与、固定給は3つの項目への分解を推奨

固定給に含まれる給与、固定給は3つの項目への分解を推奨

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あなたの会社の給与体系は、どのような要素に分かれていますか。月給に含まれる項目の中には、基本給のほか歩合給、残業代などの所定外給与といった変動給があります。給与項目はシンプルな構成にしたほうが、社員の納得度を高めることができおすすめです。なかでも固定給に含めるべき3つの要素について解説します。

固定給に含まれる給与

「固定給」とは、定められた時間を働けば与えられる、固定的な給与を指します。時給制や日給制の場合は、時給や日給として定められた給与がそのまま固定給に当たります。年棒制も然りです。

一方で、固定給以外の給与は、一般的に「変動給」と呼ばれます。スキルに応じて与えられる能力給、営業成績によって変動する歩合給や出来高制などが変動給の例です。

残業代など、定められた時間を超えて働いた分の給与は固定給でも変動給でもありません。「所定外給与」として数えられます。

ただし、この記事では、一般に変動給と呼ばれる部分も固定給に組み入れることを提案していきます。固定給のほかは、所定外給与と賞与だけにすることで、シンプルで納得を得やすい給与体系が出来上がります。

所定内給与と所定外給与の違いや、所定内救助の構成については、以下の記事も参考にされてください。

所定内給与とは?所定外給与との違い、中小企業におすすめの所定内給与の構成

固定給は3つの項目に分解する

固定給は、「本給」「仕事給」「役職手当」の3項目に分解するのがおすすめです。それぞれ解説します。

本給

年に1度、定期的に昇給する仕組みを持つ、積み上げ型の支給項目です。いわゆる勤続給的な性格を持ちます。

「この人の本給は●●」「この人の昇給額は……」などと完全オーダーメイドで支給額を決めてはいけません。同一労働同一賃金の法則からかけ離れた給与体系になり、社員に不信感が生まれてしまいます。

社員の能力や役割ごとにグレードを決めたうえで、グレードごとに上限額と下限額を決めましょう。なお、年1回の昇給額についても、あらかじめ金額を決めておき、評価結果に応じて決定できるようにしておきます。

仕事給

半年ごと、四半期ごとなどの評価結果に応じて、金額が変動する支給項目です。前回の評価結果と比較して、評価が上がれば金額が上がり、下がれば金額も下がります。

成長の度合いに従って金額が変動するため、社員のモチベーションにかなり影響を及ぼす支給項目です。グレードが低い社員の方が成果を上げにくいため、変動幅を小さくしてモチベーション低下を防ぎましょう。一方で、グレードが高い管理職等については、変動幅を大きくし、責任の重さを自覚してもらいます。

役職手当

役職に応じて、一律の金額を決めて支給する項目です。役職が上がれば、役職手当もアップします。しかし、一律の金額であるからこそ、気をつけたいことがあります。それは、管理職と非管理職の給与差です。

労働基準法上の管理監督者である管理職には、時間外手当がつきません。残業が多めの会社の場合、管理職にならないほうが給与を多くもらえるという可能性が大いにあります。

想定される時間外手当の金額を算出し、これを上回る額を役職手当として定めましょう。また、企業全体としてなるべく残業しないよう呼びかけ、効率的な働き方を意識してもらうことも大事です。

本給と仕事給を合計したものを、各グレードの「基本給」とし、基本給に役職手当を加えて固定給とします。それぞれの給与項目の考え方については、以下の記事も参考にしてください。

中小企業の基本給の決め方、本給と仕事給の比率が重要!

役職手当の決め方と設定方法、社員を育てる賃金制度の仕組み

固定給への組み入れ推奨する項目

ここまで読まれた方の中には、「この考え方に従って給与体系を作ると、現状よりもかなりシンプルになる」とお気づきの方も多いでしょう。固定給へ吸収してしまうことを推奨する項目には、例えば以下のようなものがあります。

仕事の役割や貢献度に応じて支給している項目

「職能給」「職務手当」「調整給」などが、これにあたります。「職能給」や「職務手当」は、各グレードに期待される能力やスキルに従って支給されるものですから、各グレードの本給を決めてしまえば、吸収することが可能です。

また、「調整給」は、どのような基準で設けられているのかが不明確であり、社員が不信感を募らせる可能性があります。なるべく固定給に吸収できるよう努力し、どうしてもできないのであれば、段階的に消化していく仕組みを作りましょう。

仕事の成果や貢献度とは関係のない項目

「勤続給」「年齢給」「資格手当」「家族手当」「住宅手当」「皆勤手当」がこれにあたります。「勤続給」や「年齢給」は、先ほど開設した本給に吸収させることができるでしょう。「資格手当」は仕事給に吸収させられます。

「家族手当」「住宅手当」「皆勤手当」については、継続させるか否か、起業により判断が分かれるところです。しかし、これらを続けるには、社員の実態管理を正しく詳細に行わなければなりません。「家族が増えたのに手当てが増えない」「皆勤手当をずっともらってしまっている」といった事情があっても、本人も人事側も気づいていないということがあり得ます。

給与の管理を煩雑にさせないためにも、仕事の成果や貢献度とは関係のない項目は、固定給に吸収させてしまったほうがいいでしょう。社員の不公平感も、収めることができます。

おわりに:シンプルな給与体系が理想

給与体系を見直したいと考えたら、まず初めに意識すべきは「シンプルにする」ことです。そして「固定給テーブルを作り、例外は作らないものとする」と決めてしまいましょう。

同一労働同一賃金の時代には、社員に説明を求められたらきちんと根拠を示せるような給与体系づくりが欠かせません。今まで個別に給与を決めていたという会社は、一度給与体系を見直すことをお勧めします。

ただし、賃金に対する不満は賃金では解消できないので、「ビジョン実現型人事評価制度®」と合わせて運用することをお勧めします。ビジョン実現型人事評価制度®の作り方は以下の記事を参考にしてください。

ビジョン実現型人事評価制度®・経営計画書の作り方総まとめ

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に『小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)、『小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方』(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である『【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方』(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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日本人事経営研究室 代表取締役 山元浩二氏

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