女性活躍推進法のポイント、女性が活躍する会社を作るための人事評価制度|人事評価制度・賃金制度のノウハウ | 日本人事コラム

女性活躍推進法のポイント、女性が活躍する会社を作るための人事評価制度

平成27年に「女性活躍推進法」が成立してから、数年が経ちます。令和元年には一部を改正する法律が成立し、女性活躍に関する情報公表の義務対象となる企業が拡大しました。「女性活躍推進法」のポイントと、女性が活躍する会社をつくるために必要な人事評価制度の仕組みについてご案内します。

女性活躍推進法のポイント

「女性活躍推進法」とは、企業において女性社員が男性社員と同様に仕事の機会や昇進のチャンスを与えられ、かつ実際に女性が管理職へ昇進するなどして活躍することを促す法律です。「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」という正式名称を持つこの法律のポイントは、以下の2つです。

企業は自社の女性活躍に関する状況を把握・分析・公表する

企業はまず、自社の女性活躍に関する状況を把握分析し、課題に応じて行動計画を策定します。女性の積極採用に始まり、積極登用・評価、子育て中の女性社員へのフォロー、性別役割分担意識の見直し、長時間労働是正といった働き方の改革に向けた取り組みなど、対象となる課題は多岐にわたります。

行動計画を策定したら、内容や目標、実施時期を国に届け出、また行っている取り組みについて情報を公表します。これらの分析や計画、公表は、常時雇用労働者が301人以上の大企業において義務付けられ、300人以下の中小企業においては努力義務となっています(2020年6月現在)。

女性活躍推進に関する優良企業は「えるぼし」認定を受ける

行動計画の策定や届け出を行った企業のうち、実施状況が優良であると判断された企業については、申請により「えるぼし」認定を受けることができます。認定を受けられれば、顧客や消費者からのイメージアップにつながりますし、人材採用面でも有利に働くことが期待されます。

「えるぼし」認定を受けた企業のうち、一般事業主行動計画の目標を達成している、および女性の活躍推進に関する取組の実施状況が特に優良である場合、「プラチナえるぼし」が与えられます。「えるぼし」も「プラチナえるぼし」も商品などに付すことができ、認定を受けることで信頼性が高まるでしょう。

参考:女性活躍推進法特集ページ(えるぼし認定・プラチナえるぼし認定)

成長企業は女性管理職が活躍している

当社のクライントの85%以上が成長を続けています。その成長企業に共通しているのは、必ず女性管理職が活躍しているということです。中小企業の社長は、皆さん口をそろえてこう言います。「女性社員には、将来の目標やビジョンを持ってキャリアを磨こうと真剣に仕事に取り組む人が多い」と。

優秀でも地元を離れたくなかったり、転勤を好まなかったりといった理由で、地方の中小企業に就職希望する女性は少なくありません。実はとても優秀な女性が、活躍推進の取り組みがないために能力を眠らせているとしたら、企業にとっても本人にとっても大きな損失です。

女性のやる気を高める仕組みをつくる

女性活躍を推進するなら、女性のやる気を高める仕組みを作る必要があります。女性社員のモチベーションが上がる取り組みを、効果的に行わなければなりません。

当社のクライアントの中で、特に、女性のやる気を引き出し会社が成長した事例があります。それは、社長以外はすべて女性という組織体制の雑貨・化粧品販売会社で、「社員のやる気を高めたい」と評価の仕組みを作ったときのことです。人事評価制度を「キャリアアップ・システム」、「評価基準」を「キャリア・チェック・シート」、育成面談を「キャリア支援面談」などとネーミングを変えることで目的を意識してもらえる工夫をしました。

また、社内で「ラッピング」や「ポップ書き」などのオリジナルの資格を作り、試験を行ったうえで認証していく「マイスター(社内資格)制度」を制定したり、。既婚者や子育てママのスタッフが働きやすいように勤務体系を整えた「ママさん支援制度」など、独自の仕組みで運用したのです。

結果、スタッフからは「自分の将来のビジョンが明確になった」「キャリアアップのためにどんな道筋があるのかが分かって安心できた」という声が届くようになりました。取り組みを開始して約11年。今では圧倒的な地域一番店になったのです。

この企業の取り組みについては、以下の記事に詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてください。

事例から学ぶ!「ビジョン実現型人事評価制度®」で女性の活躍が会社の原動力に

「ビジョン人事評価制度」で女性が活躍する会社を作る

上に示した例のように、適切な評価制度を作ることができれば、女性が活躍する会社づくりが実現します。とくに女性は、決められたことをきっちりスピーディーにこなす能力に長けていますし、性別を超えてきちんと評価してほしいという熱意も男性以上に強いものです。しっかりした評価の仕組みが、女性のやる気を大きく引き出します。

本来女性が持っている優秀な力を引き出し、活躍を推進するのが「ビジョン実現型人事評価制度®」です。「ビジョン実現型人事評価制度®」とは、会社の理念と経営戦略に基づいて作成する人事評価制度で、給与や評価を定めるだけの人事評価制度とは、一線を画しています。詳しい作成手順や運用のポイントは、以下をご覧ください。

ビジョン実現型人事評価制度®・経営計画書の作り方総まとめ

おわりに

女性活躍推進法に基づき、女性のやる気をアップさせる取り組みを始めようとするなら、人事評価制度を見直すのが最適です。会社の理念と経営計画を人事評価制度に反映させる「ビジョン実現型人事評価制度®」で、企業の成長と人材の成長を同時に叶えましょう。

女性が活躍できる会社へと変身を遂げたなら、そのうわさを聞きつけて、優秀な女性たちが採用窓口に集まることになります。優秀な人材が集まれば、会社はますます発展していきます。まずは仕組み作りから、コツコツ始めていきましょう。

日本人事経営研究室では、実際に女性のリーダーシップを発揮するにはどうしたら良いのか
専門家のセミナーを実施しております。
詳しくはこちらから。

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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