社員教育に人事評価制度が必要である理由、社員が育つ仕組みづくり|人事評価制度・賃金制度のノウハウ | 日本人事コラム

社員教育に人事評価制度が必要である理由、社員が育つ仕組みづくり

  • 社員教育がうまく機能していない…
  • 効果的な社員教育の仕組みの作り方がわからない…

本記事では、こうした社員教育に関する悩みにお答えします。

「外部の研修会社に委託したけれど、なかなかうまくいかない」など、社員教育の方法に悩んでいませんか。効果的な社員教育を行うには、しっかりとした人事評価制度が必要です。組織の自動成長装置である人事評価制度をきちんと設計して、社員が育つ仕組みづくりを始めましょう。

社員教育がうまくいかない理由

社員教育がうまくいかない理由は、「リーダーに社員教育の役割を与えていないから」に尽きます。社員を昇進させる理由は何ですか?業績トップだから、入社年数が長いから。それでは、人が育たないのは当然です。

どんな役職であっても、リーダーには共通した役割があります。それは、自らに任されたチームの目標を達成することです。部門や部署、チームを拡大させていく、あるいは利益性を高めていく。要は、組織を発展させていくのが、リーダーの役目です。

「目標の達成」と「組織の発展」、リーダーはこの2つの役割を使命として、全精力を集中させなければなりません。そして、この使命の実現にあたって必要なのが、人材育成です。自分がマネジメントする組織の人材を成長させながら、目標を実現させる必要があります。

しかし、ほとんどの中小企業では、この人材育成の視点が欠けていると言わざるを得ません。

社員教育に人事評価制度が必要である理由

人事評価制度は、部下の処遇を決めるために上司が評価を下す制度なので、リーダーが社員教育をやらざるを得ない仕組みです。人事評価制度がなければ、上司が部下の育成に関わる時間が取れません。すると人が育たず、優秀な人材であればあるほど「成長できる環境ではない」と辞めていくことになります。

優秀な人材が辞めていけば、当然のことながら組織は成長できません。当然業績も良くならないでしょう。正しく人事評価制度を運用できていない会社は、社員の不満が高まるどころか、どう成長すべきかがわからない社員たちが迷走し、リーダーたちも人を育てるスキルが得られないまま、時間だけが過ぎていきます。

人事評価制度は、全ての社員の行動指針となり、またリーダーに人材育成のノウハウを教える教科書にもなりうるのです。管理職が、本来の役割である「人材育成」を全うできるためにも、全ての社員が自分の目指すべきところを理解できるようにするためにも、人事評価制度は不可欠なものといえるでしょう。

評価プロセスで人材を育てる

人事評価制度は、作っただけでは意味がありません。運用することで初めて、会社にとって重要な人材育成装置となります。

評価制度は単に「評価結果を伝えて終わり」ではなく、「評価」「課題の明確化」「育成面談」「目標設定」「進捗管理」、そしてまた「評価」へというプロセスを繰り返していくことで、組織力を高めいきます。

人事評価制度の評価プロセス
評価 → 課題の明確化 → 育成面談 → 目標設定 → 進捗管理 → 評価(以下繰り返し)

このプロセスが継続できていれば、評価で部下の現状が明確になり、抽出した課題について「育成面談」で「目標設定」し、次の評価までの間に「進捗管理」を行いながら、確認・改善が行われていくでしょう。そうすれば、目標の達成と、社員一人ひとりの成長につながるはずです。

また、このプロセスを繰り返すことで、リーダーは部下をきちんと評価しないといけなくなり、部下のことをしっかり観察するようになるため、リーダーの方が先に成長します。

そういう意味で、人事評価制度は継続的かつ自動的に人材を成長させていく教育の仕組みであり、結果として、組織を成長させていくエンジンとなります。つまり、人事評価制度を作り、うまく運用できるようになったのなら、あとは放っておいても人と会社が勝手に成長してくれるでしょう。つまり、人事評価制度は、組織の自動成長装置なのです。

人事評価制度を活用した具体的な人材育成については、以下の記事に詳しく書いています。参考にしてください。

社員が育つ人材育成計画・目標の立て方、評価制度を活用した人材育成

おわりに

社員教育には人事評価制度が必要である、その理由がお分かりいただけたでしょうか。今まで社員教育を外部の研修期間任せにしてきた、あるいはリーダーの自発的な教育行動に任せてきたという経営者は、ぜひ人事評価制度を見直してみてください。人を成長させられる、そして人を評価する基準が明確な評価制度になっているでしょうか。

すでにしっかりした人事評価制度が確立されているなら、ぜひ運用方法を見直してみてください。適切なフィードバックや、目標達成のためのアドバイスは充実しているでしょうか。上司と部下の面談に十分な時間を取り、理想の人材に近づくにはどうしたらよいかをとことん話し合える場を提供できたなら、上司も部下も、ともに育っていきます。

また、人と組織を成長させる人事評価制度をつくるには、経営計画の内容を落とし込む必要があります。ここは重要なポイントですので、現状の人事評価制度に経営計画の要素が含まれていないようでしたら、下記の記事を参考に人事評価制度そのものを見直してみてください。

人事評価制度とは「人材を育成するための仕組み」、人事評価制度・経営計画の作り方まとめ

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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