社風とは?合う・合わないを社員はどこで判断する?経営者が考えるべき社風の作り方|人事評価制度・賃金制度のノウハウ | 日本人事コラム

社風とは?合う・合わないを社員はどこで判断する?経営者が考えるべき社風の作り方

  • 社風とはそもそもどんな意味なのか?
  • 良い社風を作るためにはどうすればいいのか?
  • 優秀な人材を得るためにどんな社風を作ればいいのか?

本稿では、このような疑問にお答えします。

会社を作っていく上でどうしても出てきてしまうのが「社風」。一般的には社風とは会社の雰囲気や方針などを指すように思われていますが、いざ社風を具体的に説明するとなるとなかなか難しいものですよね。

しかし、良い社風を作り、優秀な人材に合う社風にするためには経営者や中間管理職の努力が必要となります。逆に何もせずなあなあで放置しておいてしまうと、気が付いたら社風に合わない社員が続出してしまい、結果として大きな人材の流出に繋がってしまうことも。

本記事では、社員目線での社風の見方も混じえつつ、どのように会社の社風を作っていけば良いか、どんな社風にすれば優秀な人材を集められるかについてご紹介していきます。

まず結論から言ってしまうと、以下のような事項が必要になると言えるでしょう。

  • 人間関係、価値観、職場の雰囲気、業務の進め方などを見直す
  • 新しいことにチャレンジしやすい環境を作る
  • 経営理念の共有を図る

社風とは?社風の定義

社風とは、企業の持つ価値観や業務方法などの総称です。社内の雰囲気、人間関係、業務の取り組み方などを総称して社風と呼びます。意見を言いやすい環境であるかも社風が影響します。

では、辞書ではどのように定義されているのでしょうか。「社風」という言葉は、大手百科事典サイト「コトバンク」によると、以下のように定義されています。

企業の中の人々に共有された行動の様式,スタイル。それぞれの企業は意思決定の方法,伝達の方法,上下間の接触の仕方,共同の方法,説得の方法などに関して独特の特徴を持っている。

社風は,企業の価値観,信念,規範としての目に見えない企業文化を知る重要な手掛かりである。

引用:社風(しゃふう)とは – コトバンク

ここから分かるのは、社風を考えるときは単に会社の雰囲気作りなどを考えるだけではなく、業務の改善や人事評価の見直しなども必要になる、ということでしょう。

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社風が合う・合わないはどこで判断される?

次に、社員の目線から考えたとき、その会社の社風に合うか合わないかはどこで判断されるかをご説明します。

今後新たな人材を得るためや、会社内の人材を手放さないためにもこういった事項はきちんと頭の中に置いておくべきでしょう。場合によっては、今の状況を再確認する必要があるかもしれません。

人間関係

会社において、一人で行える業務はほとんど存在しません。基本的に社員はそのチームや部・課の中で協力して業務を行います。

しかし、その組織の中で人間関係の悪化が見られてしまっては、円滑に進む業務も進まなくなってしまうでしょう。事実、辞職を志願する社員の多くはその理由に「人間関係」を挙げているようです。

価値観

例えば、国境をまたいだ国際的な業務を行いたいと思っている社員が国内向けの業務を主に行っている会社に勤めてしまっては、どこかで不満が出てきてしまうのも当然のこと。

このように、会社の持つ価値観や方針と社員の志向が一致するか否かというのは非常に重要となって来ます。もちろん簡単に会社の持つ理念を変えるわけにも行きませんから、人材を雇用する際、きちんと説明を行うなどといったことが必要となるでしょう。

職場の雰囲気

社員の中には、いわゆる「アットホームな雰囲気」が良い人もいれば、ある意味ビジネスライクな関係を好む人もいるでしょう。

そういった中で、社内の雰囲気は非常に重要となって来ます。これも簡単に変えてしまえるものではありませんが、社内に鬱屈とした雰囲気を感じた場合、何かしらの対策は施すべきかもしれません。

業務の進め方

また、社内にはのんびりと1つの業務をこなしたい人物もいればテキパキと次から次へ動き回りたい人物もいます。効率的にコンピュータで業務を自動化するか、人の手で首尾一貫して業務を行うかも違います。

このように、業務が社内でどのように進められているかも大きな社風のファクターです。

経営者が考えるべき社風の作り方の4つのポイント

経営者が考えるべき社風の作り方には、ポイントが4つあります。どれも、全社員が情熱を持って仕事に打ち込める雰囲気を作るための重要なポイントです。

社風を作ろうとするとき、大前提として考えてほしいのが「やる気になれる会社とは、どんな会社か」ということです。単純に、報酬が多いほど社員のモチベーションが高まると考えがちですが、それは違います。報酬額の大きさではなく、社員のやる気を引き出す社風を確立するによって、成長できる会社の土台を作り上げていきましょう。

成長意欲をもった社員だらけの組織をつくる

成長意欲を持った社員だらけの組織を作るために、成長の場と機会を十分に与えましょう。人間は本来、成長することに喜びを感じる生き物です。ところが、新しい知識の吸収やチャレンジをやめてしまった人や、漠然と目の前の仕事をこなすだけの人など、成長がストップしている人がたくさん見受けられます。

「本人の自覚と意欲が足りない」という見方もありますが、成長の場と機会を与えられれば、人は輝くものです。リーダーが社員一人ひとりとコミュニケーションを取りながら、成長支援を続けましょう。すると、成長が止まっていた社員でも、みるみるやる気を持ってチャレンジするようになります。

実例を紹介しましょう。弊社のクライアントに、離職率が高く慢性的な人手不足に陥っている会社がありました。社員のモチベーションを上げるために査定を中心とした人事評価制度を導入したこともありましたが、うまくいかずにとん挫。かえって社員の不満の種となってしまうという状況でした。

しかし、弊社の「ビジョン実現型人事評価制度®」と出合い、経営計画書と連動した人事評価制度を作成・運用したところ、若いリーダーがみるみるうちに成長し、社員全員のベクトルを揃えることができたのです。新しい制度を取り入れることにより混乱が起こるかも、と不安があったようですが、「何が起きても全て好転反応」と覚悟を決めて挑んだ結果でした。

「ビジョン実現型人事評価制度®」を導入すれば、社員全員に会社の方向性を浸透させ、目標に向かい一丸となって突き進んでいけます。やるべきこと、挑戦すべきことが分かっている社員の顔は、輝いているものです。活気あふれる会社へと変化させることのできる取り組みです。詳しい制度の作り方は、以下の過去記事も参考にしてください。

ビジョン実現型人事評価制度®・経営計画書の作り方総まとめ

女性が輝く組織をつくる

社員が活き活きと働く社風を作り上げるには、とくに女性が輝く組織を作ることが重要です。近年、「会社で女性がどう活躍できるか」に注目が集まっています。出産、子育て、介護などに影響を受けやすい女性のキャリアは、ともすればストップしてしまいがちです。

女性が家庭の事情で退職したり、左遷させられたり、育休をとることが迷惑がられたりするような職場は、雰囲気も悪くなります。「このままでは将来がない」と悟った若い世代の女性が、会社を去ってしまう原因になるかもしれません。

弊社が提案している「ビジョン実現型人事評価制度®」は、女性が輝く組織を作れる制度です。「ビジョン実現型人事評価制度®」の運用においては、経営計画の落とし込みや評価制度農尿を手順とフォームに沿って実行しますが、これらをきちんと素直に実行してくれるのは、圧倒的に女性が多数です。その結果、聖歌にもつながりやすく、成長も早くなります。

また、将来を見据えたときどのようなスキルアップを果たせるのか、そのときのポジションや給料はどうなっているかをしっかり示した人事評価制度は、大いに参考になります。結婚、出産、子育てなどライフステージの選択肢が多くある女性にとって、自分の将来像が見えることは仕事へのモチベーションにつながります。

さらに、女性の方が「正当に評価してほしい」という欲求が強いため、「ちゃんと見ていますよ」「きちんと評価していますよ」と伝えるコミュニケーションの仕組みがしっかりしていれば、やる気が大きく引き出されます。女性が輝く人事評価制度の詳細は、以下の過去記事を参考にしてください。

女性活躍推進法のポイント、女性が活躍する会社を作るための人事評価制度

長期事業計画の作成

長期事業計画の作成により、会社の目的達成までのルートが明確になっていると、社員のやる気が引き出されます。事業計画として5年、10年先までの損益計算書を作成しましょう。長期のものになるほど、時間も労力もかかりますが、あえて作成にチャレンジすることで「5年後、10年後の、この会社の姿を見たい」という気持ちを社員に植え付けられます。

また、事業計画が10年先まであるということは、社員が会社の成長に合わせた自分自身の性長期間を持てることにつながります。合わせて将来のライフプランも具体的に描け、家族と共有することで協力や応援を得やすくなり、仕事に集中できる生活環境につながります。

経営理念の共有

全社員と経営理念を共有することで、一体感が高まります。一方で、会社の進む方向が上手く定まっていなかったり、また経営理念があってもそれが社員の間に広まっていなかったりすれば、たとえ有能な人材でも実力を発揮することは難しくなります。社の持つ経営理念や行動理念をきちんと共有し、社風に取り入れることが、モチベーションアップのために重要です。

経営理念に共感できる社員が増えれば、それは社風にも反映されます。逆に、経営理念に共感できない社員は会社に居づらくなり、社を去っていくことでしょう。それは、本人のためにも、会社の発展のためにも、仕方のないことです。また、経営理念を反映させた社風を貫いていれば、それに惹かれた人材が集まってきます。こうして社風は、しかるべき方向に整っていきます。

経営理念については、以下の記事も参考にしてみてください。

経営理念とは?社員の成長が加速する経営理念の作り方 5つのステップ、参考にしたい事例7つも紹介

おわりに

今回は、社風とはいったいどのようなものなのか、どのような社風を作ればいいのかについてご説明して参りました。

皆さんの会社はいったいどのような社風となっているか、これを機にぜひ見直してみてはいかがでしょうか。

この記事を監修した人

代表取締役山元 浩二

経営計画と人事評価制度を連動させた組織成長の仕組みづくりコンサルタント。
10年間を費やし、1,000社以上の経営計画と人事制度を研究。双方を連動させた「ビジョン実現型人事評価制度®」を480社超の運用を通じて開発、オンリーワンのコンサルティングスタイルを確立した。
中小企業の現場を知り尽くしたコンサルティングを展開、 “94.1%”という高い社員納得度を獲得するともにマネジメント層を強化し、多くの支援先の生産性を高め、成長し続ける組織へと導く。その圧倒的な運用実績を頼りに全国の経営者からオファーが殺到している。
自社組織も経営計画にそった成長戦略を描き果敢に挑戦、創業以来19期連続増収を続け、業界の注目を集めている。
著書に「小さな会社は経営計画で人を育てなさい!』(あさ出版)「小さな会社の人を育てる賃金制度のつくり方」(日本実業出版社)などがある。2020年2月14日に15刷のロングセラーを記録した著書の改訂版である「【改訂新版】3ステップでできる!小さな会社の人を育てる人事評価制度のつくり方」(あさ出版)を出版。累計14万部を突破し、多くの経営者から注目を集めている。
1966年、福岡県飯塚市生まれ。

個人ブログ:https://jinjiseido.co.jp/blog/

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