中小企業の基本給の決め方、本給と仕事給の比率が重要!

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中小企業が給与を決めるとき、「この人は、前の会社でこの金額だったから、同じくらいにしよう」「若いから、最初は給与が安くてもよいだろう」などと、基準を決めずに給与を決定しがちです。しかし、全スタッフに納得してもらう給与にするためには、きちんと基準を決める必要があります。基本給を決めるときには、本給と仕事給の比率を重視しましょう。

基本給とは

基本給とは、本給と仕事給を合わせたものです。本給とは、年1回定期的に昇給する積み上げ型の支給項目で、普段は金額が動きません。

一方で仕事給とは、評価があるたび、あるいは一定期間の評価結果に応じて金額が変動する支給項目です。成果や貢献度が、直接反映されます。

基本給の決め方

基本給を決めるときは、「本給」と「仕事給」を分けて考えることが大事です。まずは一般社員、係長、課長といったグレードごとに本給の上限、下限を設け、本給の標準昇給額テーブルを作成します。基本的には、本給は経験年数を追うごとに上がっていきます。降格した場合のみ、下がる可能性があります。

仕事給は、前回の評価と比較して、評価結果が上がれば金額が上がり、評価が下がれば金額も下がることになります。変動の幅は、一般社員など役職に就いていない社員は小さく、上位グレードに行くほど大きく差がつくよう設定しましょう。

本給と仕事給の比率


勤続給的な性格の「本給」と、評価結果に基づいた仕事の貢献度で決まる「仕事給」のウェイトを決めれば、どちらに重点を置いた賃金体系なのかを示すことができます。以下、3つのパターンで考えてみましょう。

【A】本給:仕事給 7:3
【B】本給:仕事給 5:5
【C】本給:仕事給 3:7

Aでは勤続給的な意味合いを重視し、会社としては評価をダイレクトに反映するウェイトは比較的小さくしたいことが社員に伝わります。

Bでは、基本給の半分は仕事の貢献度がダイレクトに反映される考え方であるというメッセージを、社員に伝えることができます。

Cでは、仕事の貢献度が基本給に大きく影響することが、社員に伝わります。

ポイントは、仕事給の比率を大きくすると、基本給が大きく変動するかもしれないというイメージを持つ人が多くなることです。とくに社員は給与が下がるほうに敏感ですから、仕事給の比率を大きくしすぎると、給与を下げるための賃金制度ではないかという誤解を持たれてしまう場合があります。

いったんこうした認識が浸透してしまうと、修正するのに大きな労力と時間を要します。会社の組織風土やこれまでの賃金の運用方法を踏まえて、比率は慎重に決める必要があります。

給与の決め方

以上のような本給と仕事給の考え方を伝えると、それまでの賃金制度は「社長が独断で決めていた」「一度決めた給与をずっと変えていなかった」と言う会社が少なくありません。しかし、給与の基準があいまいなままでは、社員の不満が生まれてしまいます。

しっかりした給与体系を作って社員を安心させるために、まずは社員全員のグレードをはっきりさせましょう。また、「名ばかり役職」を整理して意味のない役職手当を与えることはやめましょう。

さらに、「マネジメントライン」とは別に、「専門職ライン」を設けることも大事です。スキルが優れていてもリーダー向きではない社員は、一定数いるためです。役職者とならなくても長く勤務するモチベーションを保てるような工夫を、人事評価制度で作っていきましょう。給与の決め方についての詳細は、以下の記事をご覧ください。

あなたの会社は大丈夫?間違った給与の決め方から整合性のある給与制度へ移行する方法

役職手当の決め方

給与には、役職手当も含まれています。役職手当についても、社長が独断で決めることは避けましょう。グレードごとに金額を割り振り、責任のウェイトに見合った金額になっているかをチェックしていきます。

管理職と非管理職の役職手当の金額差には、とくに気をつけましょう。詳しくは、以下の記事を参考にしてください。

役職手当の決め方と設定方法、社員を育てる賃金制度の仕組み

おわりに

「社長、自分はどうしてこの給与なのですか?」「Aさんと同じ仕事内容なのに、給与が違うのは納得がいきません」。社員からそんな言葉を投げかけられたときに、きちんと説明できるような給与制度を敷いていなければ、社員は不信感を募らせてしまいます。

大事な人材を失う前に、アバウトな給与制度を今すぐ見直しましょう!
と言いたいところですが、本当に社員に納得してもらえる賃金制度をつくるには、「経営計画」と「評価制度」の仕組みを構築し、運用する必要があります。

その理由については以下の記事を参考にしてください。
伸びる会社は社員の処遇(報酬)のメリハリをつけている!業績を伸ばす賃金制度の作り方

給与制度が整い、全社員に見える形で公表すれば、社員のモチベーションはぐんとアップします。どれだけ頑張れば、給与がどれほど上がるのかがわかるためです。社員一人ひとりに夢があり、成長意欲があり、自分や家族を支えていくための給与目標額があります。それをイメージしながら、会社と社員の成長を叶える賃金制度を作りましょう。

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