人事評価制度の誤った考え方

人事評価制度の誤った考え方

先日あるショッキングな出来事がありました。この出来事を通じて当社もまだまだお客様へのサービスの提供のあり方を工夫していかなければならない、と再認識させられました。
 
評価者(管理職)の方の研修を4年間お手伝いしている企業でのことです。仮にこの会社を『A社』としておきましょう。
 
A社では毎年、評価者研修(考課者訓練)を実施しながら管理職の方へ評価方法やポイント、評価後の部下との関わり方等の支援をしていました。
 
毎年毎年その研修には初めて研修に参加する新任評価者の方が参加しています。今年はその研修が初めての方に「評価の目的は何ですか?」という質問をしたのです。
 
その結果、なんと80%の方が間違った認識を持っているという事実がわかりました。
 
【初めて評価者研修に入った新任の評価者の方へ人事評価制度本来の目的が伝わっていなかった】ということです。
 
いいかえれば、【研修に参加してない人の80%が間違って評価制度の目的を認識している】ということになります。
 
どういうことかというと
手段目的
(1)【誤った考え方】評価賃金決定、賃金格差
(2)【正しい考え方】評価人材育成、会社目標達成
 
実に新任評価者の80%の方が(1)と答えたのです。
 
A社は社員数が多いため通常のお手伝い先のように毎月お伺いしながら評価のフォローを十分お手伝いできているという状況ではありませんでした。
 
私どもでは人事評価制度の設計よりも運用に重点を置き、評価決定の場に評価者や経営者の方と一緒になって調整を行ったり、フィードバック面談に同席したりしながら人事評価制度の定着を現場に入って直接支援していきます。
 
しかし、A社の場合、規模や予算の問題もあってそこまで細やかな支援ができていなかったのです。
 
この【誤った考え方】評価⇒賃金決定、賃金格差という認識のまま社員が評価に取り組んでしまうと、当然本来の成果、『成長と業績』には結びつきにくくなってしまいます。
 
特にこの点に重点を置きながら最近ではできるだけ社員全員に人事評価制度、評価の目的を伝える場を設け、その考え方の浸透を図るようにしています。
 
時間はかかってもこの『意識の統一』がないと人事評価制度の成功はありえません。
 
みなさんの会社の人事評価制度への取り組み方はいかがですか?