ミニ講座vol.020

経営計画を【絵に描いたもち】にしないために2

経営計画書を【絵に描いたもち】にしないためにはどうしたらよいか、というお話の続きです。
 
前回、企業の経営を航海に例えたお話をしました。
 
A.業績=運行距離
B.理念やビジョン=目的地
C.戦略・計画(戦術)=運行経路
 
ということでしたね。
 
この中で、特に『C』の部分がはっきりと具体的に示されていないと社員の行動には落とすことはできません。計画部分が社員一人ひとりの役割として仕事の中でどう行動すればよいのかがわかるようなものになっていない限り行動しようと思っても無理だからです。
 
ところが、中小企業の経営計画を見せてもらうとこの部分がかなり抽象的であいまいな表現となっているものが非常に多いのです。
 
例えば
 
「お客様サービスの質の向上」
 
という戦略に対して
 
「お客様のことを第一に考え、感謝の気持ちで接する」
 
という計画・・・。こんな感じです。
 
これで果たして社員は日常の仕事の中で「サービスの質向上」のための行動を取れるでしょうか。
 
多分それは無理でしょう。なぜかというと、「お客様のことを第一に考える」基準も「感謝の気持ち」の基準もそれぞれの人でバラバラだからです。この基準を会社の基準はどのレベルなのかということを統一して行かなければなりません。
 
ちょっと考えてみましょう。
 
「お客様のことを考え」の部分ですが、
 
『お客様のことを第一』に考えるということは考える順番が『第二』『第三』になる対象があるということです。つまり、『お客様第一』というのは優先順位のつけ方を表現したものとなります。
 
対象の代表的なものは『社内』でしょう。ここで一つ基準ができますね。
 
「社内業務よりお客様のことに関することを優先する」
 
少し具体的になってきました。
 
しかし、これではまだどのくらい優先させるべきなのかがわかりません。それをわかるようにするためには具体的な『場面』を考えます。
 
この会社でのお客様対応の場面として「電話による問い合わせ」に対する対応という場面があったとします。
 
それに対して基準を設けます。
 
「お客様からの電話でのお問い合わせには3時間以内にお答えする」
 
これで、優先の度合いが明確になりますね。
 
このように経営目標の中にある戦略や計画を具体的に現場の業務の具体的な『場面』まで落とす。これが、経営計画書を実践して行くための第一歩です。
 
「社員に行動させる」ことを考えれば『理念やビジョン』よりも『計画(戦術)』部分の方が実はポイントになるんですね。
 
我々経営者にとっては当然、『理念』や将来のあるべき姿『ビジョン』の実現が重要なのはいうまでもありません。しかし、本当にそこを一緒になって目指そうと本気で思う社員がどのくらいいるのか・・・。
 
口には出さないが、「それは、社長の勝手に描いている夢で、私には関係ない」と思っている社員も多いのでは・・・。
 
もちろん、社員とも『ビジョン』を共有して行かなければならないのは言うまでもありませんが、それには時間もかかるはず。
 
まずは、社員がいつも関わっている現場の業務改善につながる経営計画書にして行きましょう。

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